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February 2004

おいしいものが体にいい

整体操法を受けたり、活元運動をしたりして体が整ってくると、食の好みが変わってくることがある。 好みがはっきりしてくるといってもいい。 食べたいものと、食べたくないものがはっきりしてくるのだ。
体が整うと、体に合うものはおいしくなり、合わないものはまずくなる。 健康であれば、体が必要としているものは自然と食べたくなるものだし、実際に、食べておいしいのだ。
織田信長が京に入ったとき、京の食事は味つけが薄いといって、公家達に「いなか者」と陰口をたたかれたというが、労働している者、運動している者は、塩分を必要としている。 労働しない公家の食事が味気なく、塩気が足りなく感じるのは当然だ。

食べたいもの、おいしく感じるものが、体に合っているのだ。 いくら栄養学的にバランスのよい食事といっても、そのときそのときの体の状態によって、必要なものは変わってくる。 食べたいものを食べるのがいい。

そういうと、「それでは、スナック菓子だけ食べていてもいいのか」 などといい出す人がいるが、そういう人は、体が自然な状態にない人で、心もバランスを欠いている人だ。
しかし、そういう人でも、体が整うと、自然に心の歪みもなくなってくる。 それと同時に、食に対する感性も変わってくる。

また、体が整うと、食べる量も自然と適量になる。 適量になると、それ以上食べたくなくなる。

整体法の食に対する考え方は、頭であれこれ考えて食べ物を選り取るよりも、何を食べても大丈夫な体をつくる方がいいというものだ。 悪いものを食べてしまっても、毒素をどんどん排泄できる体がいい。 少ない食べ物からでも、効率よく栄養を吸収できる体がいい。 そういう体をつくっていくことを考える。
ところが、その結果、自然と体に合うものだけがおいしくなり、食べたくなる。

体が整い、「整体」 になってくると、化学調味料をたっぷり使ったラーメンなどが、気持ち悪くて食べられなくなる。 逆に、無農薬・有機栽培の野菜や米などのおいしさがわかってくる。
これは、体の悪い人、体質の弱い人が、体質改善・健康志向で自然食を求めるのとは同じではない。 体を整えることなく、不自然な体の状態で、負担のかからないものばかりを志向していると、かえって体が弱くなることが多い。 実際、治療院に来られる方々の中にも、そういう傾向の人は多い。

論語の、「七十にして心の欲する処に従へども矩を踰えず」 ではないが、食べたいものを食べたいだけ食べて、それが、体にとって最も良い食事となるのが、整体流の食養生である。

クラッシックと春の変化

私の治療院では、クラッシック音楽を小さな音でかけている。 バッハのフルート・ソナタ、管弦組曲など、バロック音楽が多い。 もともと小さな音でかけているのだが、2月も中旬に入った頃、急に音が小さくなったように感じてボリュームを少し上げた。
音が小さくなったように感じたのは、春の変化の走りとして、湿度が上がってきたからだ。 湿度が高くなると、音の伝達が妨げられて、湿度の低いときと比べると旋律がはっきり聞こえなくなる。
バッハの管弦組曲も、真冬の音から春の音に変化したのだ。

こうした身のまわりの些細な変化を感じ取ることは、治療家として大切なことである。 人間の体は、気温や湿度、晴れか曇りかなどということで、いろいろに変化する。 心と体の感受性も変化する。
当然、操法(身体調整)の刺激に対する感受性、反応も違ってくる。 同じ人の体の調整でも、晴れの日と雨の日では同じではいけない。 もちろん、夏と冬では違う。 春と秋でも違う。

季節の変化や天候の変化に敏感になったのは、大勢の人を治療するようになってからで、自分のことだけでよかったときには、さほど気にすることもなかった。 草木や花の変化、空の表情、星の輝き方、日差し、風。 それらの変化が示す情報は、みな体の調整に直結してくる。 治療をするようになって、そういう生活の中のいろいろな変化に、自然と目がいくようになってきた。

治療家になって、自分を取り巻く世界が、急に新鮮なものとして目に映るようになった。 今まで何気なく過していた、なんということもない日常が、にわかに自己の体験としてリアリティーをおびてきた。 突然、いきいきと輝きだした。
治療家になったおかげで、私の人生は何倍も豊かになったと思う。

ココログ ・ デビュー

知人の鍼灸師の方からココログの話を聞いて、自分でもサイトをつくってみようと思い立った。 私は整体法の治療院を開いていて、治療院の関連サイトを持っているのだが、そちらの方は一応オフィシャルなものなので、あまり好き勝手なことは書けない。 そこで、ココログのサイトでは、日頃感じていること、つらつらと考えていること、治療に関してのちょっとつっこんだ話など、オフィシャルなサイトでは書けないことを書いてみようと思う。

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