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March 2004

花粉症なんて、いらない

「花粉症は簡単に治る」 、といったら、驚かれるだろうか。 しかし、少なくとも症状を軽減することは、さほど難しいことだとは思っていない。

現代医学では、いわゆる花粉症と呼ばれる一連の症状は、杉花粉などがアレルゲンとなって起こるアレルギーであるとされている。 杉や稲科の植物の花粉などが抗原となり、それに対して抗体が作られ、その抗体が過剰に反応してしまう、免疫の過敏現象ということだ。
もちろん、細胞レベルでそういう現象が起こっていることは事実だろうが、整体法の観点から見ると、もう少し違ったものが見えてくる。

花粉症になる人の体には、ある共通した特徴がある。 それは、冬の体から春の体への移行がスムーズにいかないということだ。
人間の体は、四季の変化に対応して、春には春の、夏には夏の体へと変化している。 初夏から梅雨を一季として、五季の変化といった方が実際的だ。
ともかく、一年中同じ体でいるわけではない。 野ウサギが夏には茶色く、冬には白くなるように、人間の体も季節にあわせて変化している。

冬から春への変化は、「ゆるみ」 ・ 「開く」 変化だ。 冬の間、寒さに耐え、エネルギーを蓄えるために固めて閉じていた体が、春になるとゆるみ、開いてくる。
その変化は、後頭部から始まる。 頭蓋骨は、一つの大きな骨ではなく、いくつものパーツが組み合わさってできているが、冬の間は、頭蓋骨もキュッと閉まっている。 その頭蓋骨(後頭部)が、だんだんにゆるみ拡がってくるのだ。 人間の体は春を先取りして変化するので、その変化はまだ寒い1月中に起こる。

次に肩甲骨が開いてくる。 冬の間、背骨の方に寄って上に持ち上がっていた肩甲骨が、春になると、下におりて外側へと拡がってくる。 これがスムーズにいかない人が、花粉症になる。
実はこのとき、肩甲骨と連動して、頬や鼻の骨(顔面頭蓋)の縫合がゆるんでくるのだが、肩甲骨が開かないと、これがうまくいかない。 そうすると、目鼻や口の粘膜に症状が出てくる。
花粉症の起こる人は、春に肩甲骨の開きがうまくいかない人なのだ。

血液検査などをして、杉花粉のアレルギーと診断された人も、体が季節に適応できるようになると、自然にその症状はなくなってしまう。
病院に行くと、だいたい「アレルゲンの特定が大事です」 といわれるそうだが、問題はアレルゲンが何かということではなく、自分の体が 「自然」 な状態か否か、ということではないだろうか。
自分の、働きの鈍った体をそのままに、アレルゲンを排除しても、また違ったアレルゲンが感作されるだけである。 「相手代わって主代わらず」、ということになってしまうのではないだろうか。

冬から春への体の変化をスムーズにするには、もちろん整体操法による体の調整も有効である。 しかし、それ以前に、四季(五季)の過ごし方を考えなければいけない。 たとえば、汗をかくべき夏に、エアコンのきいた部屋にばかりいて、汗をかかないでいてはいけない。 冬には、冷えの問題もあるが、体の乾きに注意しなければいけない。 それぞれの季節に、その季節にあった過ごし方をすることが、当然ながら冬から春への体の変化もスムーズにする。

花粉症の症状自体は、何とか春の体に変化しようとする、体自身の正当な働きの結果起こっている。 目鼻の粘膜がグジュグジュするのも、くしゃみが出るのも、何とかそのあたりをゆるめようという、体の 「苦肉の策」 なのだ。
だから、アレルゲンを特定して排除したり、減感作療法などで特定のアレルゲンによるアレルギー反応を抑えても、次の抗原候補を探し出してアレルゲンにしてしまう。 使えるものは何でも使うといわんばかりに、猫の毛でもハウスダストでも、次のアレルゲンとして採用してしまうのである。
しかし、体が自然な状態になってしまえば、花粉症はいらなくなってしまう。
整体では、病気を治そうと、気張って操法することはない。 ただ、その人の体が自然な状態になるように、体の働きを十全に発揮できるように整えるだけである。 しかし、結果、花粉症がなくなってしまう。

シーズンになってから、「なんとかしてくれ」 と来院されても難しいが、前年の夏頃からきてくれている方は、症状がなくなってしまうか、症状が残っても、 「だいたい、2、3割~半分ぐらい」 でおさまっているといわれる。
2シーズン目になると、もっと成績がいい。 もちろん、ウソのようにすっきりと症状が消えてしまう人も多い。 そういう人は、体が自然を取り戻したので、もう花粉症が、いらなくなったのだと思う。


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