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夏の健康生活 (2)

ここ数年、異常な暑さのため、熱中症を起こす人が増えている。熱中症は、高温環境にあって熱放散が不十分なときに体内に熱がこもってしまうことで起こる。体温調節機能が失われ、体温が上昇し、場合によっては、意識不明となったり、死に至ることもある。症状は、体温の異常上昇、全身的な発汗停止、めまい、悪心、嘔吐、激しい頭痛、精神錯乱、昏睡、反射の低下、筋痙攣などである。熱中症のうち、直射日光によるものを日射病という。

熱中症のうちに数えられる 「熱痙攣」 は、水分を補給していながら、塩分を補給しなかったときに起こりやすい。水分と同時に、塩分の補給も気をつけなければいけない。また、水分は一度にたくさん飲んでも、吸収される量には限りがあるから、暑いところで運動や労働をする際には、こまめに水分を摂取することが必要だ。

熱中症を起こしたときには、ともかく体を冷やすことが大切だ。部屋で冷房をきかせてもいいし、屋外であれば日陰の涼しいところに移し、濡れたタオルを当てて扇ぐ。場合によっては全身に水をかけて扇いでもよい。意識がしっかりしていれば、水分を補給させ安静にさせる。痛みを伴う筋肉の痙攣があれば、塩も少しずつ舐めさせる。意識状態が悪い場合は、救急車を呼んで病院に搬送した方がよい。


【 熱中症 ・日射病の応急処置 】

熱中症・日射病になってしまったときは、まずは鳩尾(みぞおち)を押さえる。熱中症のときは、必ず鳩尾が硬くなっている。

座ることができれば、まずは座って、左右の親指をのぞく4本指を爪を合わせるような形で鳩尾に当て、指先で少し押し込むようにして押さえる。このとき、息を吐いて、少し前屈みになるようにする。はじめは硬くて押すと痛みがあるが、じーっと押さえていると、だんだん硬さがゆるんでくるので、ゆるんできたら、その分だけさらに奥まで押さえていって、少し左右に揺すぶる。座れない場合は、横向きに寝て、体を少し丸めるようにしておこなう。

鳩尾を押さえて揺すぶると、少し気分が良くなってくるので、次に仰向けになって、同じように鳩尾を押さえ、奥にいって少し左右に揺すぶる。
他人にやってあげるときは、人差し指から薬指までの、三本の指の腹で鳩尾を押さえる。強すぎないように、力の加減に気をつけながら、苦しくないか相手に聞きながらおこなう。

とっさのときには、慌ててしまうから、平静のときに一度ぐらいやってみておくとよいと思う。

鳩尾をゆるめて少し気分が楽になったら、頭頂部を冷やす。冷やす場所は、髪の生え際から少し上にいったところ。大泉門といって、赤ちゃんのときにぺこぺこと柔らかかった(ひよめき、などとも呼ばれる)ところ。ここに、ビニール袋に氷を入れたものをタオルでくるんで当てる。症状がひどいときには、首筋、脇の下、足の付け根など、大きな血管が比較的浅いところを通っているところを冷やすが、それほどひどくなければ、頭頂部だけでもよい。

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