キャラッ8(パチ)
前回、グータンというTV番組で精神科医の名越氏が体癖論を使って精神分析をしている、という話を書いた。その名越氏が今度は体癖論を用いた性格診断本を出した。「キャラッ8」(幻冬社)である。“キャラッ8”とは、8つのキャラクター(性格)という意味だそうだ。
日本にエニアグラムを紹介した鈴木秀子さんの「9つの性格」(PHP研究所・PHP文庫)のように、タイプ(キャラクター)ごとにチェックリストがあり、どのタイプのリストにYESが多いかで自分のキャラクターを探すという仕組みになっている。
野口整体の体癖は12種に分類される。特殊体癖の11種・12種体癖をのぞいても10種あるのだが、名越氏は「キャラッ8」の中で、人間の性格を8つのキャラクターに分類している。これは体癖分類の上下型1種・2種と捻れ型の7種・8種を、それぞれ一つのキャラクターにまとめてあるためだ。体癖の本ではなく、一般向けの性格診断本なので仕方ないのかもしれないが、ちょっと残念だ。
上下型1種・2種をフタコブジミラクダ、左右型3種をダダッコブタ、4種をネクラビット、前後型5種をセレブデヒョウ、6種をヒカリトガゲ、捻れ型7種・8種をガチンコブルドッグ、開閉型9種はクロネコシゴトニン、10種をホステス(ホスト)カルガモと、それぞれを動物になぞらえている。動物になぞらえることで、人間は「人間のかぶりもの(=意識的に演じている人間らしさ)」を脱ぐと、それぞれにこんなにも違う生き物だということを表現している。
本作りのコンセプトは若年層をターゲットにしたもので、何年か前に流行った「動物占い」のようなノリの本である。個人的にはもう少し情報量の多い堅い本を出して欲しかったが、いろいろな(感受性の)人の語る体癖論はそれぞれに興味深く、「キャラッ8」も面白く読ませていただいた。