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冬の健康生活

冬の間、体にとって影響が大きいことに、「冷える」ことと並んで「乾く」ということがある。冷えには敏感な人も、意外と乾きには無頓着なことが多い。

冬になると、空気が乾燥してくる。空気が乾くにしたがって、体も乾いてくる。冷えても体が強張るが、乾燥しても硬くなる。この時期ぎっくり腰が多いのは、冷えと乾きのせいである。
体は水分が少なくなると、伸び縮みが悪くなる。筋肉でも椎間板でも弾力が無くなってくる。そのために、体の動きも見た目にわかるほど強張ってくる。なんとなくギクシャクしてくるというか、スムーズさがなくなってくる。

体が乾いてくると筋肉や関節が強張ってくるが、水分不足による影響は他にもいろいろな形で現れる。体のあちこちが痒くなったり、目鼻の粘膜に異常がでたり、むくんだり、小便が近くなったり。
しかし、そういう症状と水分が足りないということが、なかなか頭の中で結びつきにくい。水を飲めば解消するとは思わないで、場合によっては逆に水分補給を控えてしまうこともある。

トイレが近くなると、多くの人は水分を摂ることを控えようとする。水分を摂るからトイレに行きたくなるのだと思うからだが、実はこれは反対なのである。
体の水分量が少ないと尿の成分が濃くなり、あまりたまらないうちに尿意が起こる。しょっちゅうトイレに行きたくなり、そのくせ一回の量は少ない。
これは上手に水分を摂っていくと、わりと簡単に解消する。水分摂取を多くしていくと、だんだんと一回の量が多くなり、尿意を催す回数は減ってくる。始めのうちは、少ない水分でやりくりする癖が体にあるので、かえってトイレが近くなることもあるが、一週間もすると回数が減ってくる。

むくみも、水分が足りないことで起こる。体が少ない水分を惜しんで、捨てなくなるからだ。これも、上手に水分を摂ると解決することが多い。(ただし、寝る前にたくさん飲むとむくむこともあるので注意)

上手に水分を摂るためには、水分の種類と飲み方を工夫する必要がある。水分ならなんでも良いと思っていると、それこそトイレばかり近くなり体が潤わないということもある。

体が潤うためには、「水」を飲むのが良い。ミネラルウオーターでも良いし、気にならなければ水道水でも良い。秋口から年末ぐらいまでは、スープ、そば、雑炊、みそ汁、豚汁などの味のある温かい汁物も吸収する。食事の中に汁物を多くしながら、「水」を少しずつ飲むのが良い。年を越すと、とたんに「水」しか吸収しなくなる。意識して「水」を飲む必要がある。
お茶や紅茶、ハーブティーなどは、意外と体が潤わない。もちろんそれらも飲んで良いのだが、それとは別に「水」を飲むことが要る。コーヒーやお酒類は体を乾燥させるので、並行して「水」も飲んでおく。お酒飲みの人は、特に気をつけて「水」を飲まないと、どんどん体が乾燥してしまう。

飲み方の方は、少しずつ回数を多く飲むのがコツ。一度にごくごくとたくさん飲むと、みんな尿になって出てしまう。ペットボトルにでも入れておいて、たまに一口、二口ずつ飲むのが良い。
乾燥のひどい場合は、お風呂で湯舟に浸かりながら飲むと、一度にわりとたくさん飲んでも吸収が良い。

夏の間は暑いので自然に「水」を飲むものだが、冬は寒いこともあって、どうしても飲まなくなりがちだ。しかし、本当は体が乾いてくるこの時期こそ、「水」を飲むのが必要な時期であり、また飲んだ効果も大きい。
乾燥する時期に水分をとらないと、年齢よりもみずみずしさがなく、老けて見えるようになってしまう。しかし、そういう人でもこの時期に上手に水分をとるとだんだんと変わってくる。2年、3年と飲み続けると、その差は歴然とする。
また、皮膚病、神経痛などは、この時期「水」を飲むことが症状の改善に役立つ。夏の間はいくら飲んでもあまり変化はないが、乾燥する冬の間は、「水」を飲むだけでかなり改善する。

駅や電車の中などで、リップクリームを塗っている人を見かけるが、上手に水分を摂ればそれも必要なくなる。くちびるが乾くのは、体の乾燥のいい目安になる。くちびるが乾いてきたら、だいぶ体は乾燥している。この冬は上手に水分を補給して、リップクリーム要らずで過ごせるようにチャレンジしてみてはいかがだろうか。乾燥がひどい人はすぐには無理かもしれないが、この冬に「水」を飲んでおくと、来年は必ず今年より潤っている。みずみずしさは、まさに「水」を飲むところから始まる。

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