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November 2005

冷えの急所

11月も中旬に入ってから、体が冷えたことによって体調をくずしている人が増えてきた。症状はいろいろ。体が重い ・だるいから始まって、喉が痛い、鼻水 ・鼻づまり、腹痛 ・下痢、頻尿 ・尿が出づらい、喘息発作、神経痛、しゃっくり、いびきが急に大きくなったなどなど。腰痛も、冷えが原因で起こることは結構多い。
病院に行けば、鼻づまりと神経痛は別の病気だといわれて違う薬を処方されるだろうが、どちらも「冷え」によって起こっているのだから、同じ方法で解消できる。
「冷え」て具合が悪くなった場合は、何よりも温めることだ。どこを温めるかといえば、「足」である。朝起きてすぐの足湯が最も良い。今の時期、最も体が冷えるのは眠っている間。眠ると誰でも汗をかくが、その汗が冷えて寝冷えをする。足湯は、年末を越えてお正月あたりからは寝る前が良いが、今はまだ朝が良い。

〈足湯 ・膝湯〉
くるぶしが隠れるくらいの熱めのお湯に(入浴温度より2度ほど高くする)足を入れて、5分~7分。やかんなどに熱いお湯を用意しておいて、冷めてきたら差し湯をして温度が下がらないようにする。
足を出してみて両方赤くなっていたら、こするようによく拭いて終わり。皮膚の赤くなり方が左右で違っていたら、赤くなりきらない方をさらに2分ほど温める。この間に、赤くなっている方の足が冷えないように注意。
喉が痛い、鼻水が出るなどの頚から上の症状では足湯が良いが、お腹が痛い ・下痢 ・ガスがたまるなどお腹に症状が出ているとき、そしてこの時期の寝冷えの解消には膝まで温める「膝湯」が有効。

〈冷えの急所〉
冷えの影響で体に変動が起こったときには、足の第3 ・第4中足骨間がキューッと縮んで狭くなっている。「寒い、寒い」といっていても、ここが狭まっていなければ、冷えの影響はあまりない。逆に、冷えたという実感が無くても、ここが狭くなって押さえて痛みがあれば、体は冷えの影響を受けている。そして、そこを押さえてゆるめると、冷えの影響が抜ける。「冷えの急所」である。
足の甲の前半分を触ると、指の数だけ細長い骨が並んでいるのがわかると思う。これを中足骨というのだが、その内側(母指側)から数えて3本目と4本目の間が冷えの急所。手でいうなら中指と薬指の間になる。その骨と骨との間の溝を広げるような気持ちで押さえる。左右の足を比べて、より狭い方(多くはそちらが痛い)だけで良い。
指に近い方からジーッと押さえて、圧痛がやわらいだら少し足首の方へ指をずらしてまた押さえる。その繰り返しで、先の方から手前の方へ溝の終わりまで押さえていく。力ずくで押さえると効かないばかりか後が痛くなってしまう。力を入れ過ぎないようにゆっくりと押さえていって、そのまま気を通していくような気持ちで持続的に圧迫すると良い。
ここを上手に押さえると、冷えてお腹が痛いのや腰が痛いのも、それだけで良くなってしまうこともある。足湯、膝湯をする場合でも、その前にここを押さえてゆるめておけばなお効果が高い。両足の赤くなり方が同じくらいのときは、冷えの急所が痛い側の足を余分に温めて、左右差をつけるのもいい。

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