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正体術矯正法 野口整体の源流を求めて

去る9月20日の日曜日に、正体術倶楽部を主宰されている神崎崇嘉先生のセミナー 「上級編」に参加させていただいた。

「正体術」 とは、大正から昭和の初期に正体術普及協会を通して活躍された故高橋迪雄先生が創始された健康法 ・ 身体矯正術である。橋本敬三氏の「操体法」 は、この正体術を基にして作られたとされている。

その神崎先生のセミナーであるが、さすがに「上級編」 というだけあって、その内容は非常に豊富であり多岐にわたり、かつ高度であった。
セミナーは午後1時から5時までの4時間であったが、内容から言えば月に2回で1年ぐらいかけて連続講座で行ってもいいような中身である。それほど濃密なセミナーであった。それだけに、受け手側の知識や能力も問われる講習であったとも言える。

上級編も素晴らしい内容であったが、実は午前中に時間を取っていただいて、先生のご厚意で私を含めた3名に 「指導者養成講座」 ともいえる内容の特別講義をしていただいたのだ。
そこでは、神崎「正体術」の粋を集めた究極ともいえる身体矯正術を教えていただくことができた。
「正体術」の創始者である高橋先生の矯正術。それを元に動診によって体操設計ができるように進化させたM先生の矯正術。それらを下敷きにした上で、更に進化・発展させた神崎先生の正体術矯正法。その「神崎正体術」の現段階での最高レベルの身体矯正設計法である。

さて、その矯正術の設計法は骨盤の歪みを調べるところから着手するのだが、体の歪みを検出する方法、その歪みを矯正する姿勢を作っていく方法が実にシンプルである。ここまでシンプルで効果が上がるのかと首をかしげたくなるようなシンプルさである。(失礼!)
しかし、その方法で矯正姿勢を作っていくとなんとも理想的な矯正姿勢が出来上がるのである。そして、その矯正姿勢がなんとも美しいのが不思議であった。
本来、正しいものは美しいし、美しいものは正しい。本当に自然の理に適っていれば、そこには必ず美しさがあるものである。それを考えれば、美しいのは不思議でもなんでもなく、その矯正姿勢の美しさにこそ、神崎先生の矯正設計法の完成度の高さが表れているということなのであろう。
それにしても、高橋先生 ・ M先生の矯正法の複雑で難解な矯正術の設計法から、よくもここまでシンプルな原理を見出されたものだと驚嘆を禁じえなかった。
蛇足ではあるが、もちろん、その効果も素晴らしいものであった。

実は、正体術は形を変えて野口整体の中に取り入れられている。正体術は、「整体体操」 の原型でもあり、「矯体操法(骨格矯正)」 にも応用されている。正体術は、整体の源流の大きな流れの一つである。

整体法には、それ以前の時代の日本の療術のさまざまな流れが集まっている。それを単なる寄せ集めに堕することなく、整体操法として昇華 ・ 結実させたのは、野口晴哉氏の天才たる所以であろう。

私は、これまでずっと整体一本でやってきたのだが、今年に入って整体法の源流をたどる旅に出ている。
(もちろん本当に旅に出ているわけではなく比喩である )
神崎先生の「正体術」もそうであるが、「野中操法」という幻の操法を継承されている川島先生という方にも、野中操法をご教授いただいている。
野中操法も、やはり整体操法の源流の一つである。腹部の操法や手足の調律点の中には、野中操法から取り入れられたと思われるものがいくつもある。
そもそも神崎先生との出会いも、野中操法研究会でのことであった。

整体の技術の源流を知ることで、整体操法自体のより深い部分を会得することができるように思う。また、体の見方にも新しい発見があり、自然と操法に広がりが出てくる。
今後も、整体法の源流を尋ねていくことで、新しい発見があることを楽しみにしている。

野中操法研究会では、向学心と探究心に溢れる治療家の方々、これから治療家を目指している方々が集まっている。そもそも在野の治療家は一匹狼的な人間が多く、横のつながりはあまりないのだが、研究会ではともに技術を磨こうという仲間が楽しくまた熱心に研鑽を積んでいる。研究会は、治療家・療術家の梁山泊の様な所である。さしずめ川島先生は、療術梁山泊の頭目である。

川島先生もまた、本当に熱い心と高い志をもたれている素晴らしい先生である。
神崎先生と川島先生という、ともに幻の操法を現代に甦らせた二人の 「時の人」 の邂逅が、今後どういう「風」を療術界に巻き起こしてゆくのか、とても楽しみである。

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