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September 2010

夏の冷え

東京は、昨日今日と少し暑さがやわらいでいる。
が、明日はまた暑くなるらしい。

今年は猛暑であったが、当院に通われて操法を受けられている方の中では、熱中症や暑気にやられた人はほとんどいなかった。
そのかわり、冷房による冷えで体調を崩した人が目立った。

夏の間、体は放熱モードになっている。
骨格 ・筋肉 ・皮膚が緩み、開いて、熱を外部に放散しやすい体になっているのだ。
冬に比べて、汗もかきやすくなっている。

しかし、本来放熱モードであるはずの体は、当然冷えには弱い。
冷えに無防備な夏の体に、冷たい冷房の風は意外とこたえるのである。
若い女性などでは、冷房のせいで夏でも冷え性の人も増えているが、
冷えを感じないからといって、影響がないとも限らない。
自分では冷えていないと思っている人でも、触ってみると冷えの影響を受けている人が結構いる。

今年冷房の影響で多かった症状は、めまい、耳鳴り、頭痛、足 ・脚の痛みや痺れであった。
特に足首や足の甲の痛みを訴える方は多かった。

また、暑い日が続いたせいか、冷たいものを飲んだり食べたりすることで、胃腸を冷やして具合の悪くなる人も例年よりも多かった。

愉気や操法ももちろん有効だが、冷えて起こった症状は、温めるのが手っ取り早い。
その人その人の冷えの状況に応じて、頚や後頭部(頚上)の蒸しタオル、肘湯、足湯などをやってもらった。
それだけで、症状はかなり軽減する。2~3日続けてもらうと、だいたいは解消してしまう。

しかし、冷えたのは一時でも、温めて回復するのには何日もかかることもある。
冷房で冷えると、皮膚が縮み、筋肉も縮んで硬直する。
その硬直がひどい場合、1回温めたぐらいでは十分緩まないこともある。
だからと言って、一度に長時間温めればいいというものでもない。
やはり適度な温度と時間というものがあり、後は間をおいて(日をおいて)温めることを繰り返すのがよい。

アイスクリームや冷たい飲み物でお腹を冷やした人は、膝から下を暖める脚湯(膝湯)もいいが、熱い紅茶などをフーフーと冷ましながら飲むのもよい。

猛暑である

今年の夏は、猛暑であった。いや、まだ暑さは続いている。猛暑である。
酷暑と言ってもよいかもしれない。
そのため、全国的に暑さにやられる人が多かった。
熱中症のために救急搬送された人数は、5月31日からの累計で5万人を超えたという。
搬送者のうち約半数が65歳以上の高齢者だったそうである。
(私的には、65歳はまだまだ高齢者ではないと思うが…)

高齢者が熱中症を起こしやすい理由は、体力の問題もあるのだが、それよりも感覚的に温度変化に鈍いということの方にある。
同じ暑い中にいても、若者が汗をダラダラかいて 「暑い、暑い」 と言っている脇で、お年寄りはわりと涼しい顔をしていることがある。
「若い者はだらしがないねえ」 などと言っていたりするが、実は高齢になると体が鈍くなって暑さがわからないだけなのである。
わからないから、体も暑さに反応せず汗も出ない。
もちろん、鈍くて感じないからといって暑さに強いわけではないので、体温がある閾値を越えれば熱中症の症状を呈する。
高齢の方は、暑さを感じられなくなっているということを自覚して注意することが必要だし、周りの人も気をつけてあげなければいけない。

熱中症対策には、水分の補給が必要だが、同時に塩分(ナトリウム)も取らなくてはいけない。汗をかくと、水と一緒に塩も出て行くからだ。
この2~3年、塩分の必要性を新聞やTVなどでも報道しているので、だいぶ水分だけでなく塩分を取ることの重要性が世間一般に浸透してきたようだ。
汗をかくと水分と一緒に塩分(ナトリウム)が出て行ってしまう。ナトリウム不足は、筋肉の痙攣や意識レベルの低下などを招くのだが、その塩分を取らずに水分だけ飲んでいると、体の中のナトリウム濃度が下がってくるため、体の方が危険を感じて汗をストップしてしまう。
水分を十分補給しているにも関わらず、汗が出なくなるので、熱中症の危険は著しく高まる。
屋外で活動するときなどは当然だが、室内にいても汗をかくし、寝ている間にも水分 ・塩分は汗で失われているので、なんとなく頭や体がぼんやりする、スッキリしないなどというときは、水分とともに塩分を補給した方がよい。

塩は、直接舐めてもいい。
塩分が足りていないときは、塩をそのまま舐めてみてもあまりしょっぱさを感じない。
そこで少しずつ舐めていくと、塩分が足りてくると急に塩辛く感じ出す。
どうせ舐めるなら、ミネラルなどを含む天然塩が良いだろう。
梅干などは、疲労を回復する力があるので、なお良いかもしれない。

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