夏の冷え
東京は、昨日今日と少し暑さがやわらいでいる。
が、明日はまた暑くなるらしい。
今年は猛暑であったが、当院に通われて操法を受けられている方の中では、熱中症や暑気にやられた人はほとんどいなかった。
そのかわり、冷房による冷えで体調を崩した人が目立った。
夏の間、体は放熱モードになっている。
骨格 ・筋肉 ・皮膚が緩み、開いて、熱を外部に放散しやすい体になっているのだ。
冬に比べて、汗もかきやすくなっている。
しかし、本来放熱モードであるはずの体は、当然冷えには弱い。
冷えに無防備な夏の体に、冷たい冷房の風は意外とこたえるのである。
若い女性などでは、冷房のせいで夏でも冷え性の人も増えているが、
冷えを感じないからといって、影響がないとも限らない。
自分では冷えていないと思っている人でも、触ってみると冷えの影響を受けている人が結構いる。
今年冷房の影響で多かった症状は、めまい、耳鳴り、頭痛、足 ・脚の痛みや痺れであった。
特に足首や足の甲の痛みを訴える方は多かった。
また、暑い日が続いたせいか、冷たいものを飲んだり食べたりすることで、胃腸を冷やして具合の悪くなる人も例年よりも多かった。
愉気や操法ももちろん有効だが、冷えて起こった症状は、温めるのが手っ取り早い。
その人その人の冷えの状況に応じて、頚や後頭部(頚上)の蒸しタオル、肘湯、足湯などをやってもらった。
それだけで、症状はかなり軽減する。2~3日続けてもらうと、だいたいは解消してしまう。
しかし、冷えたのは一時でも、温めて回復するのには何日もかかることもある。
冷房で冷えると、皮膚が縮み、筋肉も縮んで硬直する。
その硬直がひどい場合、1回温めたぐらいでは十分緩まないこともある。
だからと言って、一度に長時間温めればいいというものでもない。
やはり適度な温度と時間というものがあり、後は間をおいて(日をおいて)温めることを繰り返すのがよい。
アイスクリームや冷たい飲み物でお腹を冷やした人は、膝から下を暖める脚湯(膝湯)もいいが、熱い紅茶などをフーフーと冷ましながら飲むのもよい。
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