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節電 ~ 原発 - すれすれ

治療院も節電で、照明を半分にしている。幸い窓が多いので、明るさは十分である。
かえって、目に優しくてちょうど良い明るさかもしれない。

街に出ても、節電のお陰で、冷蔵庫の様に冷房を効かせているところは少ない。
これは、とても良い傾向である。

昨日の午後、菅直人首相が記者会見し、今後、 「原子力発電の推進を盛り込んだ従来のエネルギー基本計画は、いったん白紙に戻して議論する必要がある」 と発言した。

「白紙に戻して、改めて議論を」、とは言うものの、これは事実上、「これ以後の原発の新設・増設を止めて、原子力によらない発電に重心をシフトしていこう」 ということだ。
これまで、国策として原子力発電を推進してきた日本だが、菅首相は、この方針を大きく方向転換させようと考えているのだろう。

果たして、どれぐらい実現可能なのかは(技術的な問題ではなく、利権の問題で・・・)分からないが、彼にしては立派な決断をしたと思う。


菅首相は、代替エネルギーと、「省エネ」 で、と言っているが、今までが湯水のように電力を使いすぎていたのだ。いや、湯水だってもっと大事に使っている。

原発で作り出される電力は、国内需要の三割を占める重要な発電であるというが、これにはちょっとしたカラクリがある。

電力というのはためておくことはできないから、深夜から明け方の電力需要の最も下がるときにあわせて最低の供給量を設定しなければならない。
しかし、火力・水力発電などは余分に発電しないように調節ができるが、原子力発電は回しっ放しにしておかなければならない構造なので、最も需要の下がる時間帯には原発での発電を最優先して使うことになる。
その需要の逆ピークが、電力需要ピーク時のおよそ三割ということなのだ。

逆に言えば、最低需要が上がらない限り、原発はこれ以上殖やせない理屈になる。
そこで、電力会社は夜間の電気料金を下げて、企業などに使わせることで夜間の電力需要を上げているのである。

更には、それでも余ってしまう電力を消費するために揚水発電所なるものまで作っている。
これは、電力需要の少ない夜間に原発の余剰電力で水を高所に汲み上げておいて、需要の高まる昼間に水を落として発電する水力発電だ。
一見効率的なやり方のように見えるが、汲み上げるのに使う電力を100とすると、落として発電できるのは60程度である。なんとも、ばかばかしい話だ。
揚水発電所は、原発を使い続けるために作られた、巨大な電力消費施設なのだ。

こういうばかばかしい構造には、必ず巨大な利権が絡んでいる。

そもそも、この国の国策となっている原子力発電推進であるが、何とも不可思議な事が多すぎる。

まず、原子力発電は 「クリーンで経済的なエネルギー」 だと言うが、使用済み核燃料、すなわち放射性廃棄物は、クリーンどころか近づけば人間が即死するほどの危険物であり、その汚染の深刻度は想像を絶するものである。
汚染の深刻さは、チェルノブイリを見れば分かることだが、文科省と米国DOE(アメリカ合衆国エネルギー省)による航空機モニタリングでは、すでに福島第一原発の事故による汚染は、チェルノブイリを大きく上回っているという。
(こういう情報は、大々的に報道されることはないのが日本という国なのである)

最終的に地下に埋めると言っても、地震や地下水の影響で、放射能が漏れ出す可能性は高く、そうなった場合の安全性はどう考えているのだろう。
確かに子孫や未来にCO2を残さないことも大切だが、そのかわりに高レベルの放射性廃棄物を残すのは良いとでもいうのだろうか。

そもそも、放射性廃棄物の処理の問題は、全く目途が立っていない。現在のところ、廃棄物は最終的には地中深くに埋めてしまうという方法しかないと考えられているが、おそらく、日本のどこにもそれを受け入れる自治体はないであろう。
それにも関わらず、原発は現在も進行形で、捨て場のない放射性廃棄物を大量に生産し続けているのである。

そして、「経済的」 どころか、その廃棄物の処理にかかる費用だけでも、まさに天文学的数字である。
例えば、青森県六ヶ所村の廃棄物再処理工場は、当初予算では7600億円で建設されるはずだったが、神戸の震災の後、あわてて耐震性が見直され、二倍以上の一兆八千八百億円に膨らみ、その後九九年には更に二兆千四百億円にまで増額された。
ここに投入されるのは、国民の税金である。それを、行き当たりばったりの計画で、安易にこれだけ増額しているのである。
これは再処理工場の例だが、全国の原子力発電関係施設を合わせれば、どれほどの税金がつぎ込まれているか分からない。そして、利益を上げるどころか税金をかけた元は全く取れていないし、これからも取れる計算も立っていない。

それでも、更に原子力発電所を増設して行こうとしている日本の国策は、果たしてどういうものだろうか。
破滅への道をまっしぐらに走っているのは、子供にでも分かる自明のことである。


このブログを始めたときに、整体や治療院に関係ないことは書かないというルールを自分の中に作っていたが、ガラにもなく、原発の話を長々と書いてしまった。
まあ、治療院の節電の事も冒頭に書いたので、今回は、ルールすれすれということにしよう。

この国の安全が、どれだけギリギリ、すれすれのところで綱渡りをしているかということに比べたら、たいしてすれすれでもないだろうし・・・。


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