立秋を過ぎて、暦の上ではもう秋である。
秋といわれても、まだまだ暑い。少し前まで比較的過ごしやすい日が続いていたので、今年の夏はここからが本番という気もするが、その猛烈な残暑の中にも秋の気配が忍び込んできているのもまた確かである。
今年は節電で、少しは冷房の温度が上がるかと思ったが、それも最初だけで今では節電などどこ吹く風といった具合に冷房を強く入れているところも結構多い。
山手線などは例年よりは温度設定が高いようだが、東京メトロ・都営地下鉄は、列車によっては冷蔵庫のように寒い。都バスは、ほとんどの車両がクール便である。
夏になると、体は弛む(ゆるむ)。発汗が盛んになり、皮膚も筋肉も関節・骨格も、みな柔らかく弛んで放熱しやすい体になる。
しかし、冷房などで体を冷やしすぎると、弛んで開放しようとしている体を固めてしまう。これでは、熱が体にこもってしまい、苦しいばかりである。
熱中症にならないようにと冷房を入れて、かえって熱中症になりやすい体を作ってしまう。何とも不思議な状況である。
不思議なことをやっているといえば、冷房そのものの構造も同様だ。室内を涼しくしながら、室外機からの排熱で、かえって外気温を上昇させている。部屋を涼しくする冷房装置は、同時に都市を暑くする暖房装置なのである。
冷房は、そのほとんどが電気で運転しているわけだが、それをたどっていくと更に大きな暖房装置があることがわかる。
言わずと知れた、原子力発電所である。
全国の原発が海に排出している熱量は、毎日広島に投下された原爆100個分に相当するという。
毎日(!)、である。
日本は、毎日この勢いで海を加熱し続けている熱い熱い国なのだ。(まあ、一応今は大部分の原発が停止しているが・・・)
さて、話がそれたが、今までこのブログでは、夏を快適かつ健康的に過ごすための記事を毎年書いてきた。
大体いつも同じようなことを繰り返し書いているわけなのであるが、一応その回だけの情報もあったりするので、過去のリンクを並べて貼ってみた。
夏に向かって
夏の冷え
猛暑である
エアコンは上手に使おう
夏の健康生活2
夏の健康生活1
これらの記事の中で強調されているのは、① 夏は汗をかくということ、② 汗の内攻に気をつけること、③ 水分と塩分の補給、である。
この中で、② 汗の内攻に関することは非常に大切な事柄である。
汗の内攻とは、体の恒常性を保つために役立つはずの汗が、急激に冷えることでかえって体を壊す方に働く現象である。
真夏の場合の汗の内攻は、ほとんどが冷房による「冷え」と同義語になる。
冷房で冷えたことが原因で、いろいろな体の不調を引き起こしている人はとても多い。
頭痛・視力の急激な低下・頚の痛み・肩こりを始めとする筋肉の硬直・神経痛・関節痛・古傷の痛み・こむら返り、・突然の下痢・おなかにガスがたまる等々・・・。
ただ、多くの人はそれらの症状が冷房で冷えたために起こっているとは思わない。思わないで病院に行くと、いろいろな病名を付けられて、薬を処方される。
この場合は、薬など飲むよりも、汗を上手に出すと回復する。
汗は、運動でかく汗が質が良いが、運動する機会の無い人は、お風呂を利用してもよい。
風呂につかりながら汗を出そうとすると、逆上せてしまうので危険だ。入浴中ではなく、風呂上がりに汗を出すのが正解。
夏とはいえ、一日中冷房の効いた環境にいる場合は、シャワーだけで済まさずに、お湯を張ってつかることをお勧めする。
いつまでも入っていられるようなぬるいお湯ではなく、夏なりの熱めのお湯にして、短時間でサッと温まる。
冷房の冷えが気になる人は、始めに足だけ1~2分温めて、それから全身入ると良い。
長くつかる必要はない。
そして、風呂を出るとダーッと汗が出るので、それを扇風機の風に当たったり冷房で冷やしたりせずに、自然に汗が引くまでよく拭きながら汗を出す。
バスローブや汗出し用のTシャツなどを用意してもいい。
その後涼むにしても、とりあえず自然に汗が引くまでは冷房は入れない。
といっても、窓を閉め切って、サウナのようにする必要はない。
汗が出ていれば、滅多に逆上せるようなことはないが、必要以上に過酷にすることもない。
一回で、一気に体を変えようと考えずに、日課のようにして毎日汗を出す。
そうすると、早ければ2~3日で体調が良くなってくる。