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胃潰瘍

胃潰瘍を治すのには、背部・腰部の脊椎操法だけでは難しい。頚部の操法が重要になる。

胃の働きが悪いような場合は第6・7頚椎の椎側が急所になるが、ストレスなどによる迷走神経の過緊張から胃酸の分泌が過剰になっている胃潰瘍の場合は、同じ頚でも耳の裏の骨(乳様突起)から胸骨・鎖骨に走る胸鎖乳突筋が急所になる。

胃の働きを操法でコントロールする場合、その働きを高めるのは第6・7頚椎。抑制するのは、第3・4胸椎である。これは、自律神経の働きをコントロールすることで胃の働きを調整するということだ。
それとは別に、胃を収縮させる・拡張させるというアプローチもある。収縮させるには、第1・2腰椎、拡張させるには第11胸椎を使う。
消化器の痛みというものは、大雑把に言えば臓器が 「縮んでいる」 ので、拡張反射を起こす第11胸椎を使う。働きが鈍って 「たるんでいる」 なら、第1・2腰椎を刺激して引き締める。

さて、胃潰瘍を持つ人は、大抵胸鎖乳突筋が強く硬直している。多くは、左側だ。
重要なのは、胸鎖乳突筋の停止部(一方の付け根)となる乳様突起である。この乳様突起の骨の裏を触るようなつもりで押さえると、骨にこびりつくように硬いスジやべたっと硬くなったようなところがある。
これを掴まえたら、ジッと押さえて愉気をする。これには少し時間をかけることが多い。たいてい2分ぐらい。短くても1分以上は押さえる。

次に、胸鎖乳突筋を後ろから前へ向けて押さえる。これは長く押さえず、5秒以内ぐらいで上から下に順々に刺激していく。
胸鎖乳突筋は、下の方に来て二つに分かれて胸骨と鎖骨に付くのだが、上から降りてきて胸骨側か鎖骨側どちらか硬い方の起始部(筋肉が骨に付くところ)をやはり1分程度愉気する。
(本来は、愉気は何分と決められるものではないが、一応の目安として・・・)

また、腹部第4調律点(左の季肋部)や背部の脊椎椎側も調整のポイントではあるが、それ以外に胃潰瘍や胃ガンの場合は、必ず運動器系にはっきりとした不調和がある。たとえば、腕が上がらないとか、背中が張る、腰が捻れない、頚が曲がらないなど。片方の頭がつっぱるなんていうこともある。
この体の運動系の不調和を調整することが、胃潰瘍を治していくために重要な要素になる。

臓器・器官の異常と結びついている運動器系の不調和を正していくのはとても重要で、例えば肺気腫・喘息などの呼吸器の異常は、必ず体の前屈傾向を持っている。この前屈傾向を正していくことが、呼吸器病を治していくのに必要になるのである。

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