« 「緊急時の整体ハンドブック」 | Main | 時代の変化と一側の硬直 »

美容番長 ― 8種体癖

体癖の分類の中に、捻れ型体癖というものがある。捻れ型の持つ感受性の大きな特徴は、何事に対してもとにかく “ 勝とう 、負けまい ” とするところである。

捻れ型には、7種と8種がある。“ 勝とう ” は7種、“ 負けまい ” は8種である。
捻れ型は、誰にでも対抗する。対人関係においても、相手を負かして自分が優位に立とうとするところから入るので、なかなか良い人間関係を作るのが難しい体癖であると言える。

そんな捻れ型の人が、なぜか美容師や美容部員(化粧品のアドバイザー)などに多い。7種もいるが、特に8種は多い。
8種の負けず嫌いは、たとえ相手が客だろうとも必ず発揮される。もちろん接客であるから、はなから喧嘩腰ではないにしろ、その負けまいとする対抗心は会話が続いていくうちに必ずムクムクと頭を持ち上げてくる。

美容師さんは、お客をリラックスさせるつもりなのかサービスのつもりなのか、とりあえずあれこれ話しかけてくる人が多い。

「お仕事は、何をされているんですか~?」
「お休みは、どちらか出掛けられたんですか~?」

8種店長、8種経営者の場合、お客が同じくらいの規模の個人事業主、更に同じ接客業であったりすると急に捻れ出す。特に相手が同性の場合は、捻れやすい。捻れるというのは、すなわち対抗心を燃やすということだが、8種的捻れは特に会話に出る。

うちはもうこの場所で何十年やっているとか、誰それという有名人も通っているなどと、訊いてもいないことを急に自慢し始めたりする。
また逆に、このぐらいのこぢんまりとした規模でやるのがいいのだとか、雑誌に載るような店じゃないが、うちは敢えて隠れ家的にやっているんだとか、これまた相手は何も言っていないのに、勝手に自分が気にしているところを自ら暴露しつつ、先手を打って予防線を張ってきたりする。

そして、客が休みに海外に行ったなどと言うと、自分はそこには行ったことはないがどこそこには行ったことがある、いやああそこは良かった、本当に良かった、などと張り合い始めたりする。そしてこれまた、自分は海外に行くよりも、まずはこの日本の良いところを探していろいろ見て回りたい、やっぱり日本人ですからねなどと、どうしても負け惜しみ感がにじみ出てしまう口調で長々と演説を始めたりする。
自分が訊いたんじゃないか、とその負けず嫌い振りにウンザリしても捻れてしまったらなかなか元に戻らない。

別に、仕事の規模など大きい方が良いと決まったわけでもないし、海外旅行が国内旅行よりも上等だというわけでもないのだが、何かこう自分で負けていると思ってしまうと、反射的と言ってもよいぐらいに突然 「捻れスイッチ」 が入ってしまうのだ。
そして、その 「こだわりの弱点」 を結果的に自分から白状してしまっていることに気がつかないのが、捻れ型8種の憎めないところではある。

しかし、8種というのは不思議と相手をも捻れさせる特殊能力を持っている。8種の相手をしていると、憎めないどころか、普段冷静な人もなぜかムクムクと対抗心が湧き上がって来がちなのである。
その結果、客と店員が目くそ鼻くそ的な自慢合戦を繰り広げたりすることになる。

美容部員にも、8種は多い。8種には、胴回りが太めで、固太り的な人、ボリュームのある体型の人が多い。

一昔前と比べて最近の化粧の流行りは、どちらかというとナチュラルメイクが主流なんじゃないかと思える。しかし、捻れ型である8種体癖は、“ やった感 ” を求める人達なので、したかしないか分からないようなあっさりメイクでは満足しない。美容部員自身がしているのかいないのか分からないようなメイクでは仕事にならないのだろうが、それにしても8種部員のメイクは濃い!!
そんな8種の施すメイク術は、やはりキッチリと塗り上げていくはずである。それはまた、化粧品の消費量を増やすことにもつながり、メーカー側とも利害が一致することだろう。
まあ、聞くところによると、ナチュラルメイクというのは必ずしも薄化粧ということでもなく、かなり作り込んだ上でのナチュラル感というものもあるのだそうだが・・・。

8種の女性は、相手が自分よりもキレイだと思う人には、多少に関わらず “ 捻れる ” だろう。ことに美容に強い関心があって、そういう職業に就いている人であったならば・・・。

女性同士であった場合、8種の美容師も美容部員も、自分がキレイだと認めた人には、決して本心から更にキレイにしてあげようとは思わないだろう。特に、キレイ度合いが自分と競っている(と勝手に思っている)人に対しては・・・。
こんなことを断言してしまってもなんだが、無意識的な領域で必ずそういう心が作用していることと思う。
もちろん、そんな宿命的な対抗心を凌駕するプロ意識の高い8種の美容師、美容部員もいる・・・・・・であろう。  ・・・いるかも知れない。 ・・・いて欲しいものである。


« 「緊急時の整体ハンドブック」 | Main | 時代の変化と一側の硬直 »

体癖」カテゴリの記事