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May 2013

初夏から梅雨の発汗

5月の連休あたりから、体は徐々に汗をかくようになってくる。汗には、もちろん気化熱によって体温を下げる働きがある。しかし、汗の働きはそれだけではなく、体内にたまった老廃物・毒素の排泄も担っている。

秋から冬の間は汗をかくことも少なく、発汗による排泄がお休みの季節となっている。そのため初夏になって始めに出る汗は、たいていベタベタしていたり、ニオイがきつかったり、場合によっては黄色っぽい色がついていたりする。秋冬にため込んでいた老廃物などが、急激に排泄されるからだ。

真夏の汗はまさに体温調節がメインの汗であるが、5月、6月、初夏~梅雨の汗は、真夏に比べると排泄の汗という意味合いが強い。この時期に十分に汗をかいておくと、毒素の排泄が促進され、その後に来る暑い夏も楽に過ごすことができる。
排泄が不十分だと、真夏になって元気が出ない。また、今のうちから徐々に汗をかける体に変えておかないと、梅雨明けにいきなり暑くなったときに対応できず、熱中症などを起こしやすい。

熱めのお風呂にザブッと入って、お風呂上がりに汗を出すのもいい。ただし、間違っても風呂上がりの体をエアコンや扇風機の風で冷やしたりしてはいけない。汗を拭き拭き、自然に汗が引くのを待つ。

サウナは、ちょっとやり過ぎになりやすい。汗といえども、出せば出すほどよいというものではない。出し過ぎもまた、体に負担になる。

もちろん、運動で汗をかくのも良い。特にウォーキングなどで下肢を動かすと、湿気でだるくなった体もリフレッシュされて元気が出てくる。

体を変える 「スイッチ」 2

整体操法は、全身の働きを調整するといっても、その手段として全身をくまなく押したり揉んだりするものではない。どちらかといえば方法論としては反対で、なるべく効率的に少ない刺激で体を整えるのがよいという考え方である。
こちらの働きかけが必要なところもそうでないところも一緒くたに揉んだり押したりすることは、体を鈍くもさせれば、自力で回復する力を奪うことにもなる。たくさんやるのが親切だ、または数打てばどれかが急所に当たるだろうといった態度は、整体ではもっとも嫌うところである。

操法では、背骨を中心に体のあちらこちらを押さえたり揺すぶったりすることもあるが、それはあくまでも体が今どういう状態にあるのかを調べているのであって、愉気を以て体と対話しているようなものである。イメージとしては、潜水艦がソナーで音波を出して周囲を探索するのに似ているかもしれない。
もちろん、その調べ自体も愉気でなされることと、本当の急所を見つけるために料理であら熱を取るかのように表面的な疲労を取っていくので、調べているだけで体が楽になり整っていくということも確かにある。
ただし、調べはあくまで調べであり、そこから読み取ったことから操法を組み立てるのである。そして、その組み立てていく中には、「本日の急所」 とでもいうべき 「スイッチ」 を捜すことも含まれる。

その日、その時、その人を変える急所というのは、体の中にそうたくさんあるわけではない。たいていは、2~3箇所。本当にその時の体を変える急所というのは、一点であることが多い。その 「スイッチ」 を見つけることが、操法の中でも重要となるところなのだ。
さらに、その 「スイッチ」 は、毎回はっきりとした形で必ず 「ある」 とも限らない。体の変化の波の中で、静止したかのような凪の時もあり、そういうときには 「スイッチ」 も姿を現さない。また、体が鈍ってしまっている人、すなわち体が変化する能力を失ってしまっている人などは、埋もれてしまった 「スイッチ」 が出てくるまでに、時間(期間)をかけて硬直・鈍りを 「解凍」 しなければならないこともある。


いろいろな急所の中でも、一気に気分や体調を変えて元気が出る 「元気スイッチ」 は、一回の操法の組み立ての中でも、長期的な組み立ての中でも、まずは大事な急所である。
体というのは、悪いところを片っ端から治していけば、最後にはすべて良くなって元気になる、というものではない。まず元気にしていくと、その体の勢いで悪いところが治っていくのである。その意味で、まず 「元気スイッチ」 をON!にするということが、操法の組み立ての中で短期的にも長期的にも重要な要素となるというわけである。

「元気スイッチ」 にもいくつかの系統がある。疲労の中心とでもいうか、全身の疲労感をもたらしている実態としての部分的な硬直。さらにその中の、ここさえ弛めば全身の強張り・閊えが連鎖的に一気に解除されていくであろうという一点。
また、体のエネルギーの発散が上手くいかずに鬱滞してしまっている状況も、疲労感に似た倦怠感・停滞感がある。このエネルギーの閊えを開放する一点。これも一気に身も心もスッキリさせる 「元気スイッチ」 である。
体が季節の変化に対応しきれずにいる場合、その季節に乗り切れずにいる閊えを取り除く一点。これも、「元気スイッチ」 となることが多い。
つまり、体のや心の 「閊え」 が元気を失わせていることが多いということだ。その停滞を解除する一点が、「元気スイッチ」 となるわけである。

そのスイッチの場所は、時と場合によって変わってくるわけだが、体癖によっても、ある程度 「元気スイッチ」 の現れやすい場所が決まってくる。たとえば、左右型はお腹にスイッチが現れやすい。左右型特有の消化器系の問題や感情の問題が腹部に出るのである。捻れ型は、どこを押さえるかということもあるにはあるが、それよりも第3腰椎に焦点を集めて腰を捻ることが 「元気スイッチ」 をON!にする方法になっていたりする。
前回ちらっと書いた運動焦点も、体癖と密接な関係にある。また、どんな言葉をかけると元気が出るか、意欲が出るか、そういうことも体癖によって決まってくる。
実は、「元気スイッチ」 は、体にだけついているわけではない。気持ちの方にスイッチがある場合も多く、心のスイッチを上手く押すことができると、場合によっては体のスイッチよりも大きな変化が呼び起されることもある。

体を変える 「スイッチ」 1

ある学習塾のCMで、「やる気スイッチ」 というのが出てくる。どの子にも 「やる気スイッチ」 は必ずあって、そのスイッチさえ押せば、勉強も猛烈にやる気が湧いて来るという魔法のスイッチなのだ。
問題は、そのスイッチのある場所が子供によって一人一人違うということだ。CMでは額にあったり、背中にあったり、後頭部にあったりするのだが、つまりは人によってやる気を起こさせるポイントは違うということだ。その学習塾では、子供の個性や性格に合わせた指導法で、上手く 「やる気スイッチ」 をONにするということなのだろう。

さて、整体操法の世界においても、やる気スイッチではないのだが、体を一気に変えるスイッチのようなものがある。それは、やはり個人個人で場所が違うし、同じ一人の人でも時によって場所が違い、頚にあったり、腰にあったり、腹部にあったりする。

整体では背骨の観察を重視しているが、それは背骨及びその周囲の筋肉に心身の状態がリアルに表れるからである。背骨自体の転位(ズレ・歪み)、椎側(一~四側)と呼ばれる背骨の両サイドの筋肉の緊張・硬直・硬結・弛緩とその感覚変化として圧痛・過敏・鈍りなど、背骨に表れる異常は身体の働きのあらゆるところと関連している。
もちろん、その背骨周囲の異常自体が体を一気に変えるスイッチになっていて、それを調整することで体がいっぺんに整うこともある。
一方、その脊椎の異常を整えるために、別の部位を刺激した方が上手くいくこともある。たとえば、頚椎部に異常があっても、直接その異常箇所に愉気するよりも、その異常が起こる原因になっているところを調整した方が頚椎が整うこともある。7つある頚椎のうちどの椎骨に異常があるか、一側の異常なのか二側の異常なのかなどによって違ってくるが、目・頭・肩甲骨・肩関節・上肢・腹部などのどこかにスイッチがあって、そのスイッチを押せば(その部位を調整すれば)、頚椎の異常が解消することもある。

スイッチにもいくつか種類がある。まずは、ともかく心や体の閊えがとれて、スッキリ快適になるスイッチ。なんだかわからないが元気が出てきて、それこそやる気が出てくるスイッチ。いってみれば、「元気スイッチ」 とでもいうようなスイッチで、これは操法の中で高頻度で使われるスイッチである。
体が良くなるには、悪いところをどう治そうかと考えるよりも、まずは元気が出るようにする、気分が明るくなるようにすることの方が大事である。体は、「治すものではなく、治るもの」 であるからだ。

「元気スイッチ」 は、その人の心身の働きの閊えているところ、つまりは疲労して働きが停滞しているところにあるともいえる。その部位に生じている異常、硬直なり硬結なりを愉気・整圧して調整すると、一気に気分も体も楽になる。
全身が疲れているように感じている場合でも、実際はある箇所・ある系統の疲労であることが多く、その部分的に偏ってある疲労を解消すると、全身がスッと軽くなるのだ。

「元気スイッチ」 は、脊椎であれば、よく指圧やマッサージで施術の対象となる二側(いわゆる脊柱起立筋の盛り上がったところ)の硬直よりも、一側や三側にあることが多い。一側は背骨の棘突起の際を縦に走るラインで、精神的な問題、ストレスや感情のもつれなどにからむ。三側は脊椎起立筋の外縁のラインで、多くは内臓の異常と関連する。一側・三側の硬結を処理すると、その直後からサッと気分が変わり、体も楽になる。
また、腰椎には運動焦点と呼ばれる、その人特有の偏って力が集まるところがある。これは体癖とも関係するのだが、この腰椎の運動焦点は、その人の力の入りやすいところである。つまりは、同時に疲れもたまる場所であるわけだ。ここを調整すると、体は元気を取り戻し、新たに活動するための活力が湧いてくる。

美容院症候群

この春は、美容院に行って調子が悪くなったという人がとても多かった。今までも2~3ヶ月に一人くらいはいたのだが、1月中旬くらいから増えてきて、ここ最近は落ち着いているものの、今年に入ってからすでに例年の一年分以上はみたと思う。

曰く、美容院に行ってから、
「頚が痛い」、「頭痛がする」、「めまいがする」、「腕が痺れる」、「耳鳴りがするようになった」、等々。
中には、動悸がするとか強い不安感に襲われるといった症状を起こす人もいた。

その人達の身に、美容院で一体何が起こったのか?

一つは、シャンプー台で頚をおかしくした。
美容院のシャンプー台は、多くは仰向けに寝るような格好になり、頭が宙に浮いたような形になる。頭というのは非常に重いものなので、そんな不自然な体勢で支えるのは頚にかなりの負担がかかる。しかも、その頚を支える台が硬い素材だったりするとなお悪い。さらに、そんな不自然な状態であまり上手でない方に力任せにシャンプーされたりすると、なおさら変なところに力が入ったりして頚をおかしくすることになる。

ある方は、担当の美容師さんにシャンプー台が苦手な旨を伝えたところ、その美容師さんも同様で、後輩のシャンプーの練習台にはなれないといっていたそうである。また、他の美容師さんからも、お客さんからそういう声は多いと聞いたそうだ。
それならば、いっそのこと昔ながらの床屋さんみたいに、椅子に座ったまま前に頭を下げて洗う方法にしたらどうかと思ったが、それではおしゃれ感に乏しくなるから採用されないだろう。極端に高いハイヒールなどもそうだが、女性及び女性を取り巻く環境は、体を犠牲にしてでも 「おしゃれ」 または 「おしゃれ感」 を優先して回っているところがあるのだ。

さて、もう一つ頚をおかしくするのが、サービスのマッサージ。これで頚をこわす人はとても多い。
そもそも、ほとんど人体のことなど勉強したこともない人が、更にさほどの練習もすることなくマッサージをするのだろうから、これはなかなか怖いことだ。
時折近所の美容院の窓越しに、美容師さんがマッサージしている光景を見ることがあるが、はたで見ていてもかなり怖いときがある。以前もこのブログで書いたことがあるが、なぜか美容師さんには 「捻れ型体癖」 の人が多く、その 「力感がないとやった気がしない」 のが特徴の捻れ型の人が力任せにやっているので、ガラス越しに見てこちらが冷や冷やしてしまう。

当院に通われている方には、美容院でのマッサージはやんわりとお断りすることをお奨めしている。どうせサービスなのだから、断っても相手も困ることはないだろう。ただし、世の中善意の押しつけということもあって、断ると気分を害する人もいるようだから、「どうもマッサージは苦手で・・・」 とか適当に言って、上手にご遠慮するのがよいかもしれない。

シャンプー台の方は、頚ががっちりと凝り固まっているような人は意外と無事で、正常な頚の持ち主の方が痛めることが多いようだ。こちらの問題は、予約のときにでもあらかじめ洗髪していく旨を伝え、カットの後もドライヤーで飛ばしてもらうようにするといいだろう。
まあ、パーマやカラーリングのときはそれでは無理だろうから、なるべくシャンプーの時間を短くしてもらうようにお願いするしかないだろうか。これまた、サービスのつもりで長くシャンプーすることもあるようだし・・・。

今年の春は季節の変わり方が不安定だったので、頚から上が詰まったようになっている人が多かった。それも今季、美容院で頚をこわす人が多かった理由の一つだろう。
今年は、春の体の変化について折々に実況しようと考えていたが、いろいろと忙しくまとまってPCに向かう時間もとれなかった。というより、そういう気分にならなかったということなのだが・・・。
そんなこんなしているうちに、季節はもう初夏である。立夏を過ぎ、これからは件の 「捻れ型7種」 のシーズンへ向かっていく。理屈よりも、まず行動。どんどん体を動かして、行動的になっていくのが、これからの季節に上手く乗っていく方法である。

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