美容院症候群
この春は、美容院に行って調子が悪くなったという人がとても多かった。今までも2~3ヶ月に一人くらいはいたのだが、1月中旬くらいから増えてきて、ここ最近は落ち着いているものの、今年に入ってからすでに例年の一年分以上はみたと思う。
曰く、美容院に行ってから、
「頚が痛い」、「頭痛がする」、「めまいがする」、「腕が痺れる」、「耳鳴りがするようになった」、等々。
中には、動悸がするとか強い不安感に襲われるといった症状を起こす人もいた。
その人達の身に、美容院で一体何が起こったのか?
一つは、シャンプー台で頚をおかしくした。
美容院のシャンプー台は、多くは仰向けに寝るような格好になり、頭が宙に浮いたような形になる。頭というのは非常に重いものなので、そんな不自然な体勢で支えるのは頚にかなりの負担がかかる。しかも、その頚を支える台が硬い素材だったりするとなお悪い。さらに、そんな不自然な状態であまり上手でない方に力任せにシャンプーされたりすると、なおさら変なところに力が入ったりして頚をおかしくすることになる。
ある方は、担当の美容師さんにシャンプー台が苦手な旨を伝えたところ、その美容師さんも同様で、後輩のシャンプーの練習台にはなれないといっていたそうである。また、他の美容師さんからも、お客さんからそういう声は多いと聞いたそうだ。
それならば、いっそのこと昔ながらの床屋さんみたいに、椅子に座ったまま前に頭を下げて洗う方法にしたらどうかと思ったが、それではおしゃれ感に乏しくなるから採用されないだろう。極端に高いハイヒールなどもそうだが、女性及び女性を取り巻く環境は、体を犠牲にしてでも 「おしゃれ」 または 「おしゃれ感」 を優先して回っているところがあるのだ。
さて、もう一つ頚をおかしくするのが、サービスのマッサージ。これで頚をこわす人はとても多い。
そもそも、ほとんど人体のことなど勉強したこともない人が、更にさほどの練習もすることなくマッサージをするのだろうから、これはなかなか怖いことだ。
時折近所の美容院の窓越しに、美容師さんがマッサージしている光景を見ることがあるが、はたで見ていてもかなり怖いときがある。以前もこのブログで書いたことがあるが、なぜか美容師さんには 「捻れ型体癖」 の人が多く、その 「力感がないとやった気がしない」 のが特徴の捻れ型の人が力任せにやっているので、ガラス越しに見てこちらが冷や冷やしてしまう。
当院に通われている方には、美容院でのマッサージはやんわりとお断りすることをお奨めしている。どうせサービスなのだから、断っても相手も困ることはないだろう。ただし、世の中善意の押しつけということもあって、断ると気分を害する人もいるようだから、「どうもマッサージは苦手で・・・」 とか適当に言って、上手にご遠慮するのがよいかもしれない。
シャンプー台の方は、頚ががっちりと凝り固まっているような人は意外と無事で、正常な頚の持ち主の方が痛めることが多いようだ。こちらの問題は、予約のときにでもあらかじめ洗髪していく旨を伝え、カットの後もドライヤーで飛ばしてもらうようにするといいだろう。
まあ、パーマやカラーリングのときはそれでは無理だろうから、なるべくシャンプーの時間を短くしてもらうようにお願いするしかないだろうか。これまた、サービスのつもりで長くシャンプーすることもあるようだし・・・。
今年の春は季節の変わり方が不安定だったので、頚から上が詰まったようになっている人が多かった。それも今季、美容院で頚をこわす人が多かった理由の一つだろう。
今年は、春の体の変化について折々に実況しようと考えていたが、いろいろと忙しくまとまってPCに向かう時間もとれなかった。というより、そういう気分にならなかったということなのだが・・・。
そんなこんなしているうちに、季節はもう初夏である。立夏を過ぎ、これからは件の 「捻れ型7種」 のシーズンへ向かっていく。理屈よりも、まず行動。どんどん体を動かして、行動的になっていくのが、これからの季節に上手く乗っていく方法である。