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食べ過ぎとその周辺 (1)

毎年正月明けは、多くの方が食べ過ぎの体をして来院される。年末年始は忘年会や新年のあいさつ参りなどで、どうしても余分に食べる機会が多い。栄養失調はもちろん良くないが、食べ過ぎも体にとって害になる。

食べ過ぎが続くと、当然ながら胃腸・肝臓などの消化器系がオーバーワークになるのだが、二次的に腎臓にも負担がかかる。
たんぱく質を分解・代謝してできる老廃物は、血液を濾して尿を作る腎臓が処理している。食べ過ぎが続いてむくむなどということが起こるのは、腎臓にもその影響が及んでいるということである。

現代の栄養学では、一日三食、規則正しく、バランスよく食べるということが推奨されている。しかし食べ過ぎて、次の食事の時にお腹が空いていなかったら、何も無理して食べる必要はない。というより、そこで無理して食べるのは体にとって負担である。
夕食を食べ過ぎて、朝起きて空腹感がなかったら、朝は食べなくてもいい。それを、「朝食は必ず食べないといけない」 と決めつけて無理に食べるのはよいことではない。一食抜けば、次の食事はよりおいしくいただけるし、抜くほどではないがそれほどは食べられないというのなら、フルーツとかビスケットでも食べておく、というのでもよい。

規則正しく食べるというのは一見すると正しそうだが、ちょっと考えてみれば、お腹も空いていないのに体の要求を無視して時間になったら食べるというのは、頭の良い人間のやることではない。どちらかというと、自分で考えることをしない、頭の硬い人のやることだ。
何事においてもそうではあろうが、こと健康に生きるために大切なのは、当たり前のことを当たり前に考えて行動することだ。栄養学も食養生も、それに体を合わせて生きるべきものではなく、いきいきと生きるために利用するものである。

バランスよく食べるというのも良いとばかりはいえない。ここでいうバランスのよい食事というのは、一日何品目とか1回の食事の中で栄養のバランスがとれているとかいうことであるが、たいていはそれを実現しようとするとどうしても分量が多くなってしまう。
野菜は必ず摂る、たんぱく質も欠かしてはいけない、ビタミン・ミネラル・カルシウム、豆は一日何粒以上、海藻もできたら摂りたい、ナッツには体に必要な微量元素が・・・、と考えていくと、どうしても食べ過ぎになってしまう。

また、体がそのとき要求しているものは、ほかを犠牲にしても摂った方がよいことが多い。たとえば、なんだかわからないが無性に 「さんま」 が食べたいとしたら、さんまをたくさん食べるのがよい。食べたければ、毎日さんまでも、毎食さんまでもよい。さんまの中のどんな成分が必要なのかはわからないが、ともかく体はさんまを求めているのだ。
それを、「いろいろな物をまんべんなく食べないと・・・」 とか、「野菜も豆類も・・・」、「たんぱく質は動物性に偏らないように・・・」 などとバランスを考慮して食べたいものを控えたりすると、今必要なさんま(の中の何か)が十分摂取できない。特に妊婦や子供の場合は今必要なもの、つまりは体が要求するものを優先的に食べることが大切になるが、基本的には誰にでもいえることである。他を削ってさんまをたくさん食べてOKなのである。
どうしてもバランスが気になるという人は、一日ではなくて数日~一週間くらいの中でバランスがとれていればいいとお考えいただくといい。

体の要求で食べたいものは、欠乏が解消されればその欲求も自然と消えていく。つまり、「もう、さんまは飽きたな・・・」 となるわけである。もちろん、そうなったらもうさんまにこだわって食べ続ける必要はない。
足りれば食べたくなくなるというところが実は食に関して重要なことで、これがサプリメントなどの場合は体の要求と無関係に頭で考えて摂るので問題が起こる。必要もないサプリメントを摂り続けて、体をこわしている人は意外と多い。


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