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子供の喘息

子供の喘息には、その裏に心理的な問題が潜んでいることが多い。

というのは整体では当たり前のことなのだが、実際に喘息を持つ子供を観てみるとまさにその通りだと実感する。

白山治療院では、子供の来院はごく少ない。元々通われている方がお子さんを連れてこられるようになったり、ママ友つながりで紹介されて来る子がいる程度だ。
それくらいの中での経験の話なのだが、何度も繰り返し観ているうちに、小児喘息には操法の技術以外のところに症状改善の重要な急所があるという実感を強く持つようになった。

喘息を持つ子供の体は、一様に体が強張っている。特に頚・背中・腰。そして、頭の緊張が強い。
胸鎖乳突筋や呼吸活点と呼ばれる骨盤の縁あたりなど、一般に喘息の急所といわれているところには、やはり硬直がある。しかし、それよりもまず、全体として強張っている、のである。

子供の体がここまで強張るというのは、どういう状況であろうか。本来は子供の体は柔らかく弾力に富んでいるもののはずだ。

打撲などで体の一部が硬直してしまうことはあるが、子供が最も強張るのは、多くは心理的な問題である。硬直した体を持つ喘息の子供たちにも、何かしらの心理的な圧迫やショックがあるのではないだろうか。

整体では、大人が子供の自由を奪い、自発的な行動の芽を摘んでしまうと、呼吸器が萎縮し、拡がらなくなるという。
親が度を超えて厳しかったり、過干渉だったりすると、体力・気力のある子は親に反抗するようになる。しかし、反抗するだけの体力が無い子は、内攻して体を壊していく。小児喘息は、その代表例である。

小児喘息の子が来ると、もちろんまずは体を観て、調整するのだが、本当に大事な働きかけは操法のあとにある。

子供がお母さんと一緒に来ているときは、「お父さんが厳しいということはないですか?」 と問いかける。お父さんと来ている場合は、「お母さんが口うるさくはないですか?」 といってみる。
そして、「子供の喘息には、たいてい精神的なことが関係しています。親が厳しすぎても、子供が萎縮して喘息になることがあります。ああしなさい、こうしなさいと、口うるさく干渉して、子供の自発的な行動を抑えてしまっても、やはり喘息になる場合があります」 といった話をする。

このときに、子供の前で話すということが大事になる。子供は、自分の親に対する不満を言えないでいる。言えずに我慢しているから喘息になるのである。そこで自分の代わりに親を窘めてもらうことで、ちょっとばかり溜飲が下がり、自分の言いたかったことを代弁してもらうことで、スーッと気持ちのつっかえが抜けるのである。

野口先生は、子供の前で親を叱れといっているが、なかなかそこまでは難しい。お父さんには、「お母さんが…」、お母さんには、「お父さんが…」、というくらいのクッションがある方が私のキャラクターには合っているだろう。
また、そうやって親御さんにちょっと逃げ道を作ってあげることで、なんとなく自分たちに原因があるのかも、ということが認めやすくなったりもする。たいていは、「私も少し口うるさいかもしれません・・・」 といった話になっていく。

しかし、子供が 「ほら、やっぱりお母さんが口うるさいのが悪いんだ」、「そうか、やっぱり自分じゃなくて、うるさくいうお母さんの方がいけなかったんだ」 と、自分の正当性を確認できるくらいまでのことは言う。

そのあとは、実際にどういうことが子供の自由を奪い、どういうことが自発性の芽を摘んでしまっているのか、ケーススタディ的にお話しする。
その中には、そんなことが、と意外な顔をされることもあるが、親のちょっとした言動が子供を萎縮させていたり、気力を奪っていたりするのである。

さて、今までみた全ての小児喘息の子たちは、その後喘息に関することで再来院することはなかった。みんな喘息症状が治まってしまったからだ。
喘息が良くなったのは、嫌々通わされていた習い事を止めたり、親御さん達が夫婦で協力し合って子供への接し方を考えたりした結果である。

もちろん、体の問題を解決しなければどうにもならないケースもあるが、こうして心の閊えを解消するだけでひどい発作もなくなってしまうのを目の当たりにすると、果たして 「小児喘息」 というのはなんなのだろうかと、考えてしまう。

しかし、実はこういうことは子供に限ったことではない。大人の病気や体の不調の中にも、心の閊えで起こっているものがたくさんあるのである。大人の場合は、子供に比べてひねくれていたりもするので、対応はこちらも一ひねりしなければならないこともあるが、やはり心の閊えがとれると体も急激に変わっていく。

人間の体は、血液やらリンパやら、経絡を流れる気やらも、すらすらと流れていなければならないが、心もまた閊えずにすらすらと流れていなければいけないのである。まさに、流水は腐らず・・・、である。


ちなみに、子供の心と体を素直にすくすくと育てていきたいとお望みの方には、全生社から刊行されている野口晴哉氏の著作をお奨めします。特に潜在識教育関係の 「躾の時期」、「叱り方褒め方」、はお奨めです。
社団法人整体協会付属の(?)出版社である株式会社全生社のホームページから購入できます。

※ 当院は社団法人整体協会、株式会社全生社とは一切関係ありません。


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