この時期不可避の寝冷え
このところ一日何人に、それは寝冷えのせいですね、という話をしているだろうか?
ここ最近急に朝晩気温が下がるようになって、寝冷えをする人が増えてきた。喉が痛くなったり、空咳が出たりという風邪っぽい症状から、関節が痛むとか、お腹にガスがたまるとか、頭痛がするなど、寝冷えの体に対する影響はとても多様である。
先日、眼球の痛みから始まって、次々といろいろな症状が出て、眼科と耳鼻科、歯科、内科に行ったという方がいた。
体を観たところ、どの症状も寝冷え由来のものと思われたので、朝起きてすぐに脚湯をすることを勧めた。その方は、脚湯をはじめてすぐに症状がやわらぎ、数日ですっかり良くなったという。
もちろん体の調整はしたわけだが、何よりも冷えたものは温めるのが手っ取り早い。脚湯が功を奏したのだろう。
何の前触れもなく、目眩や耳鳴り、歯痛、急な下痢などが起こっても、なかなかそれが寝冷えとは結びつかない。まさか、その激しい症状が、ただの寝冷えのせいだとは思えない。
何かの病気なのではないかと不安になってしまうのも仕方がない。現に病院で診てもらえば、なんらかの病名がつくのかもしれない。
しかし、なにやら深刻な病名がついても、実は病気というよりも、ただ寝ているうちに体が冷えたせいだったりすることもある。というよりも、ある日突然起こる急性の症状の中には、急に寒くなった、暑くなった、湿度が高くなった、空気が乾いてきたなどの、季節の変化が体に影響して起こっているものはとても多い。そして今の時期だと、寝冷えによる急な変動がとても多いのだ。
寝冷えといっても、今はまだ朝夕涼しくなったという程度で、寒いというわけでもない。しかし、夏用の開いてゆるんだ放熱モードの体を引きずっている今、朝方にヒンヤリと体が冷えるだけでも、呼吸器・泌尿器・消化器などに意外と影響が及んでしまう。
冷えると体はこわばるので、筋肉や関節の痛みも起こりやすいし、頚が冷えることで頭痛、歯痛、耳鳴り、目眩なども起こる。
そうした症状が起こったら、一応寝冷えを疑って、朝起きてすぐに脚湯をするか、熱めの朝風呂に入る。一回で足りなければ、数日続ける。
また、触ってみて冷たいところがあれば、蒸しタオルを当ててもよい。頚や肘などが冷えてもいろいろな症状が起こるからだ。
この時期、まだ寒いという感覚はほとんど無い。寝冷えを警戒して厚着をして寝れば寝汗をかいてかえって冷えてしまうし、布団を厚くすればやはり暑くて寝ている内に剥いでしまう。なかなか寝冷えを回避するのは難しいのである。
今の時期は寝冷えをしてしまうのはある程度仕方がないので、もはや寝冷えは避けられないものと諦めて、冷えてしまったら温める、と事後処理の方を考えた方がよいのである。
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