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April 2016

口の中を意識してみると・・・

食後にお腹が痛くなり下痢をしてしまう、という人がたまにいる。多くの場合、食べる速度が速すぎるのが原因である。

胃に食物が入ると腸が動くという反射があるのだが、どうも勢いよく食べ過ぎると、腸が過敏に反応して下痢が起こるということのようだ。

取りあえず、ゆっくり食べるようにしてみて下さい、とアドバイスをすると、大抵の人はそれで大丈夫になる。

 

ところが、中にはゆっくり食べること自体が難しい、どうしても気づくと勢いよく食べてしまっているという人がいる。
そういう人には、口の中に意識を向けて食べてみて下さい、と言うと結構上手くいく。

食べるときに口の中に意識を向けて見ると、いろいろな発見がある。

どうやらいつもはよく噛まずに飲み込んでいるらしいとか、あまり味わわずに飲み込んでいたようだとか、そういうことに気づくので面白い。

 

咀嚼するときに口の中の歯の動き、舌の動きなどを意識していると、早食いも治るが、片噛みの防止にもなる。無意識に噛んでいる時には、左右どちらか片方で噛む癖があっても、ただ意識を向けるだけで割とまんべんなく歯を使って噛むようになる。

片噛みというと左右差ばかり考えるが、上下の片噛みとでもいうものもある。多くの人は、下の歯(下顎)ばかりに意識が集まりやすい。これは上顎は顔面頭蓋に固定されているので、動く下顎に意識が向きやすいということなのだが、本当は上下の歯を均等に使うという意識(イメージ)で噛んだ方が無理なく咀嚼ができる。
下顎ばかりで噛もうとすると、頚椎にも余分な力みが生じて、ひどいとものを食べるだけで頚が疲れたり凝ったりすることになる。

また、食べ物は歯で噛むものなのだが、顎に力を入れて顎で噛んでいる人が多い。実は私もそうだったのだが、口内に意識を向けるだけで、顎に余分な力を入れずに噛めるようになる。
顎に必要以上の力を入れて噛む癖がある人は、これを意識するだけでもだんだんと楽に噛めるようになる。顎関節症の予防にもなるだろうし、歯に掛かる負担も減るかもしれない。
夜間の噛み締め、歯ぎしりをする人は、心理的な要因もあるが、そもそも顎関節に異常があることが多いので、力を入れずに噛む本来の噛み方を体が思い出せば、そういったことにも良い効果が期待できるのではないだろうか。

そして、口の中を意識するだけで味覚も鮮明になるので、おいしいものはよりおいしく食べられる。ただし、まずいものもよくわかるようになるので、味に頓着してこなかった人は、しばらく困惑するかもしれない。
それでも、感覚が鮮明になることはよいことで、体に合わないものは食べたくなくなるし、適量を超えても美味しく感じなくなるので、質量ともに自分に合うように食べられるようになる。

花粉症

杉花粉のシーズンも、どうやらピークを越えたようだ。年々、症状が出る人も減り、成果はまずまずといったところで一安心している。

以前は、花粉症の急処を特定することに熱心であったが、最近はあまり考えずに操法している。花粉症は、春に起こる季節的な体の変化がスムーズにいかないと症状が出るのだが、そのつっかえる系統は人それぞれである。

風邪に対する操法も、第五胸椎などの普遍的なポイントもあるにはあるが、個人の体の特性や疲労の溜まり具合、季節の移り変わり方などで、操法の急処は変わってくる。
花粉症も同様で、その人の体の閊えている系統を調整することが、症状を出なくさせる早道だ。

また、とりあえず今出ている症状を抑えるというだけであれば、頚椎を調整すればかなり楽になる。

 

春の体の変化は、主に 「開閉」 と 「左右」 の問題が関わってくる。開閉は、冬の間に閉じていた骨格(筋肉・皮膚)が開いてくることで、この変化がどこかで痞えると花粉症が起こりやすい。そしてこの開く動きは、左右互い違いに開いていくので、左右、捻れの歪みが起こりやすい。

また、冬の体は排泄に熱心ではないので、冬の間にため込んでしまった余剰栄養や毒素、老廃物などを春の体の緩みとともに下痢などを通して排泄しはじめる。
中国医学でも春は肝臓の季節とされているが、整体的に見ても春の排泄は肝臓を中心とした消化器系の活動と見ることができる。
消化器系の働きは、背骨の動きでは、「左右」 に対応している。

よく断食などをすると宿便が出るという話を聞くことがあるが、宿便がどこにたまっているのかといえば、それは恐らく腸壁などではなく肝臓であろう。
断食後でも、春の排泄の下痢でも、肝臓にため込まれた不要物が、胆汁とともに腸に排泄されるのだろう。
この下痢が起こると肝臓が柔らかくなったり、腫れていたのが小さくなったりするのが観察できる。

 

骨格の開きは、頭、肩甲骨、骨盤と、上から開いていくのだが、眼の使い過ぎや頭の緊張が続くと、この変化が上手くいかなくなりやすい。ただでさえ冬の間は神経系の緊張が高まりやすいので、眼の蒸しタオルなどで、眼や頭の硬直など神経系の過緊張を弛めておくのが花粉症の予防になる。

また、肝臓に負担をかけないよう、食べ過ぎ、飲み過ぎは控えたい。食べ過ぎでは、特に高カロリー・高栄養のものが続いたり、甘いものなどの摂り過ぎもよくない。それから、ストレスや感情の乱れ、特に怒りやイライラは肝臓に変動を起こす。
特に冬のはじめくらいから気をつけるのがいいが、もちろんいつでも節度を以て飲食していれば、それが一番である。

それから、水分補給も大事で、冬の間にたっぷりと水を飲んでおくのも、花粉症予防にはお奨めである。
体が潤いのないひからびた状態であると、目鼻の粘膜が逆に水分を過剰に供給しようとするので、鼻水なども出やすくなってしまう。

春の花粉症シーズンに入る前に体を整えておくのがいいわけだが、本来は春の体の変化だけをスムーズにしようとしても、そんなに上手くいくはずはない。
夏にはしっかりと汗をかき、秋には食べ過ぎず、冬には水分を十分摂る、といったように、それぞれの季節にあった過ごし方、体の使い方を心がけることが大切である。

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