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口の中を意識してみると・・・

食後にお腹が痛くなり下痢をしてしまう、という人がたまにいる。多くの場合、食べる速度が速すぎるのが原因である。

胃に食物が入ると腸が動くという反射があるのだが、どうも勢いよく食べ過ぎると、腸が過敏に反応して下痢が起こるということのようだ。

取りあえず、ゆっくり食べるようにしてみて下さい、とアドバイスをすると、大抵の人はそれで大丈夫になる。

 

ところが、中にはゆっくり食べること自体が難しい、どうしても気づくと勢いよく食べてしまっているという人がいる。
そういう人には、口の中に意識を向けて食べてみて下さい、と言うと結構上手くいく。

食べるときに口の中に意識を向けて見ると、いろいろな発見がある。

どうやらいつもはよく噛まずに飲み込んでいるらしいとか、あまり味わわずに飲み込んでいたようだとか、そういうことに気づくので面白い。

 

咀嚼するときに口の中の歯の動き、舌の動きなどを意識していると、早食いも治るが、片噛みの防止にもなる。無意識に噛んでいる時には、左右どちらか片方で噛む癖があっても、ただ意識を向けるだけで割とまんべんなく歯を使って噛むようになる。

片噛みというと左右差ばかり考えるが、上下の片噛みとでもいうものもある。多くの人は、下の歯(下顎)ばかりに意識が集まりやすい。これは上顎は顔面頭蓋に固定されているので、動く下顎に意識が向きやすいということなのだが、本当は上下の歯を均等に使うという意識(イメージ)で噛んだ方が無理なく咀嚼ができる。
下顎ばかりで噛もうとすると、頚椎にも余分な力みが生じて、ひどいとものを食べるだけで頚が疲れたり凝ったりすることになる。

また、食べ物は歯で噛むものなのだが、顎に力を入れて顎で噛んでいる人が多い。実は私もそうだったのだが、口内に意識を向けるだけで、顎に余分な力を入れずに噛めるようになる。
顎に必要以上の力を入れて噛む癖がある人は、これを意識するだけでもだんだんと楽に噛めるようになる。顎関節症の予防にもなるだろうし、歯に掛かる負担も減るかもしれない。
夜間の噛み締め、歯ぎしりをする人は、心理的な要因もあるが、そもそも顎関節に異常があることが多いので、力を入れずに噛む本来の噛み方を体が思い出せば、そういったことにも良い効果が期待できるのではないだろうか。

そして、口の中を意識するだけで味覚も鮮明になるので、おいしいものはよりおいしく食べられる。ただし、まずいものもよくわかるようになるので、味に頓着してこなかった人は、しばらく困惑するかもしれない。
それでも、感覚が鮮明になることはよいことで、体に合わないものは食べたくなくなるし、適量を超えても美味しく感じなくなるので、質量ともに自分に合うように食べられるようになる。

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