« お休みのお知らせ | Main | 11月のお休み »

運動と労働

歩くことは体にいい。「歩く」 のは、人間の最も基本的な運動形態であるから、膝や股関節など下肢に故障がない限り、誰にでもおすすめの運動である。 

妊娠中の運動も、歩くことが基本である。整体では、妊婦さんに30分から1時間程度の散歩を勧めている。
マタニティ・ヨガなどもよいのだろうが、普段運動する習慣のない人だと、それで体を壊してしまう人もいる。水泳やプールで泳ぐのも運動の質としてはよいが、体が冷えるのが妊婦にはよろしくない。

 

さて、治療院に通って来られる方々に歩くことを勧めることはよくある。けっこう、「毎日、通勤で歩いています」 とか、「スーパーまでの行き返りで往復40分歩きます」 などという返事が返ってくることがあるのだが、それとは別に歩いてくださいということが多い。

同じ歩くのでも、運動と労働は体に与える影響が違う。健康のためを思って歩くのであれば、歩くためだけに歩いた方が効果が高い。

もちろん、買い物や通勤でなるべく歩くのはよいことだ。エスカレーターを避けて階段で行くというのも身体が鍛えられてよい。
ただ、健康法と考えると、やはり 「ウオーキング」 の時間を別にとれる方が望ましい。

なぜかというと、労働や移動で歩くのは、あまり体に意識が向いていない。それに対して、運動として歩く場合は、歩く速度や歩幅、姿勢など、体に絶えず目が向くので、体と対話しながら歩くことができる。そのため無理をし過ぎないですむし、運動の質も高くなる。
また、歩くためだけに歩く場合、手ぶらかそれに近い状態で歩けるが、仕事や買い物ではなかなかそうもいかない。場合によっては、重い荷物を不自然な状態で持って歩かなければならないこともある。

同じ歩くという行為でも、運動と労働では、体に与える影響は大きく変わってくるのである。
営業で毎日1万歩、2万歩と歩いている人が、それで健康になるどころか、かえって体がこわばっていて故障が多いというのもこのためである。

また、運動のために歩くという場合は、おおよそ自発的に行うことが多いだろう。それに比べて仕事や用事で歩くのは、必ずしもそうではなく、時には仕方なくイヤイヤ歩くこともあるだろう。
人間は自発的に行動するときには、心身のエネルギーがその目的に向けて動員されるので、疲れも少ないし、体を壊すことも少ない。もちろん、行動のパフォーマンスも高くなる。
受け身で、仕方なくやることは、体も十分に機能を発揮せず、疲れるし能率も上がらない。その上、やり終わっても、爽快感も充実感もない。

仕方なしにやることも、自分なりに工夫してモチベーションを高めたり、視点を切り替えたりして興味をもって自発的に行うようにするとだいぶ変わってくる。

・・・のだが、それには、それなりの心のスキルも必要なので、とりあえず歩くためだけに歩くことがおすすめなのである。

« お休みのお知らせ | Main | 11月のお休み »

健康生活のしおり」カテゴリの記事