五本指靴下
みなさんご存じだろうが、五本指靴下というものがある。足袋は親指とその他の四本指の二つに分かれているが、その五本指版である。
はじめて五本指靴下を履いたのは確か大学生のときだったと記憶しているが、その時からどうも窮屈で好きになれなかった。その頃は、指と指の間に布が二枚挟まるわけだから、それがきついのだろうかなどと思っていた。
最近、親戚の集まりで 「五本指ソックス」 の話題が出たことがあり、そういえばなぜ自分は好きになれなかったのかと考えてみた。今になればよくわかるが、五本指靴下は五本の指をそれぞれ自由にする目的で作られているのに、かえって指の動き制限してしまっているからだ。(水虫予防にはいいのかもしれないが・・・)
足の指を観察していただけばわかる通り、指の股の部分は骨格的には指のつけ根よりも先の方にある。その指の股に合わせて指を布で包んでしまうのだから、足指の動きは当然窮屈になってしまう。
手の指を見てもわかるけれど、拳を握ってグーにすると、指の骨は指の股よりずっと手の甲の方まで続いている。手の平側で見てみれば、指の付け根の関節は指の股どころか、手相でいう感情線あたりから曲るのがわかる。足の指のつくりもだいたい同じなのだ。
手袋の場合は、素材の伸縮性やデザインで動かしやすいように作られているのであまり窮屈ではないが、五本指靴下の場合、そこまで考えれていないものの方が多いのだろう。
おかげで、小さい手袋を無理にはめたような窮屈さが生まれてしまうのだ。
更にいうと、足の甲の中に中足骨という指の続きの骨があり、足の指は五本それぞれが、五本の中足骨につながっている。手の指も同様に中手骨につながっている。
手の親指と小指の先をつけようとすると手の平がすぼまるが、これは掌の中の中手骨が動いているのである。
手ほど器用に動きはしないが、足の指も中足骨と連動して働いている。五本指靴下は、足指と中足骨の連動も多少ではあるが邪魔してしまうのだ。
といったわけで、私は断然普通の靴下派なのだが、足指を使う場合は第2趾から第5趾を手のようにばらばらに細かく使うことはほとんどないし、多くは親指と他の四指セットの拮抗運動なので、足袋はそれほど窮屈な感じがしない。四本指もそれなりに中で動かせるようになっているし・・・。
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