年末年始のお休み
12月29日(木)~1月5日(木)は、お休みさせていただきます。
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12月29日(木)~1月5日(木)は、お休みさせていただきます。
整体操法は、「体術」、すなわち、「体」 を使って行なう 「技術」 である。
「体術」 である整体操法を 「身につける」 ということは、文字通り 「体で覚える」 ということである。いくらやり方を習っても、それを実際に使えるように修練しなければ、整体操法を習得したことにはならない。
空手の突き方、蹴り方、受け方を習っても、練習して威力を発揮して実戦・護身に役立てるようにならなければ空手を身につけたとはいえない。それと同じことである。
私が整体を学んでいた頃も、習っただけで練習もせず、講座にきては 「難しい、難しい」 を連発している人がいた。練習をしているかどうかなんて、素人から見てもすぐにわかるものだ。
そもそも高度なものを学んでいるのだから、難しいのは当たり前である。練習もせずに、できると思っている方が不思議でしょうがなかった。
操法は相手があってのものだから、練習の台になってくれる人がいないとどうにもならない部分もある。しかし、それ以前に一人でできることもたくさんあるのだ。
私も跨ぎの型がなかなかできず、二つ折りにした座布団相手に結構練習した。これは人の体を観るようになっても、かなり長い期間続けていた。
実際の臨床で日々操法をおこなっていても、それとは別に練習は必要だと思う。バレエをやる人が、一生バー・レッスンを続けるのと一緒だ。
実践でしかわからないことは多いが、繰り返しの練習の中でしか得られないものもまたある。
跨ぎの型などは、始めのうちは足腰がつらいものだが、それも型が決まるようになれば楽にできるようになる。ただ、そうなるにはやはり修練の積み重ねが要る。
身体運動論やボディーワーク的なことを研究したりして、しゃがむと座骨は開くとか、骨盤底の筋膜がどうだとか、そういったことも役には立つ。また、イメージの持ち方を変えるだけで動きが改善されることもよくあることである。
しかし、最後は体を使って繰り返し、しかもある程度の時間と期間をかけて修練する以外に型を自得することはできないだろう。
少なくとも、プロでやっていきたいと思っているのであれば、それくらいの修練は当然必要なものである。それは職人になるにも、楽器奏者になるにも、どの世界でも当たり前のことだ。
ただし、教養として、家庭療法として、自分や身の回りの人のために整体を役立てたいという人は、きつい修練など全く必要ない。
基本的には 「愉気」 一辺倒でいけばいい。愉気だけなら、楽しんで覚えていけばどんどん上手になる。
愉気にも相手との関係の中での作法的なものや気の感応を上手に図る方法などはあるが、みな楽しんで学べる範疇のことばかりである。
プロとしてやるのでなければ、操法も覚えれば覚えただけ役に立つ。ただ手を当てて愉気するよりも、たとえ研ぎ澄まされた技術でなくても、習ったとおり操法の型を以て押さえた方が効果が上がることも多いからだ。
整体の世界は、裾野は広く、頂は険しい。無理に登らなくても、裾野にいて十分楽しめるし、役に立つのも整体のよいところだ。
ただし、高く登ろうとすれば、やはり装備を充実し、知識を蓄え、気力を充実し、足腰を鍛え、心肺機能を高めていかなければならない。
真・行・草とは、書道でいえば、「楷書」・「行書」・「草書」 のことである。
整体の型も、長年修練してくるとだんだんと行書、草書になってくる。
しかしそれは、楷書をしっかり学んで体にきっちりと覚えこませてのち、それを運用しているうちに自然と動きの角が取れ、無用の間が詰まり、無駄が省かれてくるということである。
初心者が、先生が気軽にちょいちょいと操法をしているのを見て、あれが本当の操法だと真似をしてみても、似て非なるものが出来上がるだけである。いや、おそらくそれは似ても似つかない代物になるだけだろう。
長年操法をしている者でも、ときに楷書に戻って自らの 「型」 を確認することは必要である。いつの間にか易きに流れて 「型」 が崩れていることがあるからだ。
ましてや初学の者は、きちっと真の 「型」 を身に着ける努力をしなければならない。これは整体に限ったことではなく、どの世界でも同じなのではないだろうか。
整体操法の 「型」 には、跨ぎの型のように、足腰がつらいものもある。また、日常の体の使い方とは違う動き方を求められるものも多い。
しかし、そこで足が楽なように自分なりの格好にアレンジしてみたり、型通りに動こうとせずに日常の動作の延長のように手先だけでやったりすれば、それはもはや整体操法ではなくなってしまう。
真・行・草、始めに真が来るのは、そこに真実があるからである。真実はそう簡単につかめるものではないが、真の 「型」 には、最もわかりやすく真実が示されていることは確かである。
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