真・行・草
真・行・草とは、書道でいえば、「楷書」・「行書」・「草書」 のことである。
整体の型も、長年修練してくるとだんだんと行書、草書になってくる。
しかしそれは、楷書をしっかり学んで体にきっちりと覚えこませてのち、それを運用しているうちに自然と動きの角が取れ、無用の間が詰まり、無駄が省かれてくるということである。
初心者が、先生が気軽にちょいちょいと操法をしているのを見て、あれが本当の操法だと真似をしてみても、似て非なるものが出来上がるだけである。いや、おそらくそれは似ても似つかない代物になるだけだろう。
長年操法をしている者でも、ときに楷書に戻って自らの 「型」 を確認することは必要である。いつの間にか易きに流れて 「型」 が崩れていることがあるからだ。
ましてや初学の者は、きちっと真の 「型」 を身に着ける努力をしなければならない。これは整体に限ったことではなく、どの世界でも同じなのではないだろうか。
整体操法の 「型」 には、跨ぎの型のように、足腰がつらいものもある。また、日常の体の使い方とは違う動き方を求められるものも多い。
しかし、そこで足が楽なように自分なりの格好にアレンジしてみたり、型通りに動こうとせずに日常の動作の延長のように手先だけでやったりすれば、それはもはや整体操法ではなくなってしまう。
真・行・草、始めに真が来るのは、そこに真実があるからである。真実はそう簡単につかめるものではないが、真の 「型」 には、最もわかりやすく真実が示されていることは確かである。
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