たまに、「野口整体に関する本で、お奨めのものはありますか?」 と訊かれることがある。
その人が野口整体にどういうことを求めているかでお奨めの本も変わるのだが、一応入手しやすく、また基本を押さえるという意味で野口晴哉先生の 「整体入門」 を勧めることが多い。
数年前に野口先生の 「整体入門」 がちくま文庫から復刻された。これがかなりのベストセラーになったそうである。その後、「風邪の効用」 も出て、こちらもかなり評判がよかったようだ。
柳の下にはまだまだ泥鰌がいるということなのか、その後ちくま文庫から野口整体関連の本が続々出版された。
野口氏の令夫人、野口昭子著 「回想の野口晴哉」 - この本は、野口先生の幼少から晩年までの様々なエピソードを綴った伝記的なエッセイ。全生社から出ていた 「朴歯の下駄」 の文庫化である。
それ以外には・・・
「東洋医学セルフケア365日」 長谷川淨潤著
「整体から見る気と身体」 片山洋次郎著
「整体。共鳴から始まる」 片山洋次郎著
「自分にやさしくする整体」 片山洋次郎著
「おきらく整体生活」 奥谷まゆみ著
「身体をひらく整体」 河野智聖著
「野生の哲学」 永沢哲著
「整体的生活術」 三枝誠著
「大和なでしこ整体読本」 三枝誠著
「身体は何でも知っている」 三枝龍生著
ざっと見ても、これぐらいの整体関連の本がちくま文庫から出ているようだ。もしかすると、他にもあるかも知れない。
文庫化されたものは、整体初心者にとっても興味が持ちやすく理解されやすい内容のものが多いように思う。筑摩書房さんのおかげで、これまであまり流出することのなかった野口整体の情報が、広く一般の人にも手軽に入手できるようになった。このことは、整体文化の裾野を広げる意味で、非常に歓迎すべきことだと思う。
そこから、もっと深く学んでいきたい人は、それぞれ自分に合った団体なり先生なりを探して学んでいけばよいだろう。
最後になったが、最近 「身体感覚を磨く12ヶ月」(松田恵美子著)という本がちくま文庫から出ているのを見つけた。本文にも著者のプロフィールにも整体のセの字も出てこないが、内容はほぼまるまる野口整体である。
季節と身体のかかわりを解き明かすのは、整体の真骨頂である。この本には、旧暦の暦に合わせて節句や祭事・行事などを紹介しながら、季節の変化と身体の変化についてとても分かりやすく書かれていた。これから整体のことを知っていきたいという人にはお奨めしたい一冊である。