2009.06.03

産後の整体

妊娠中の整体は、継続して当院に通われている方のみを対象としておこなっているが、産後の体の立て直しを目的とした操法は、どなたでもお受けしている。
ただし、「やせたい」、「キレイになりたい」、という美容が第一目的の方には、残念ながらご期待に添えないと思う。

最近、「産後に骨盤を整えると、やせてキレイになる」ということが、いろいろなところでいわれるようになった。
それらの情報・理論・体操の大部分は、元をたどると何らかの形で野口整体につながっているものと思う。
しかし、残念ながら、野口整体の理念や技術はどこかにいってしまって、 「骨盤を整えるとやせる」 ということだけが、一人歩きしている感がある。

たしかに、産後に骨盤を中心に体を整えていくと綺麗になる。スッキリとやせてスマートになる人もいる。
しかし、それはあくまでも、「体が整った」、「元気が満ちた」、「健康になった」 ということの表れであって、始めから「やせる」ことを目的として操法するものではない。少なくとも、私はそう思っている。
そう思っている私がおこなう操法であるから、美容を第一に考えていらっしゃる方には合わないであろう。

そもそも心に屈託がなく晴れやかで、体が整っていれば、妊娠中や出産後の女性は、とても美しい。
生命力に満ちて、女性だけが持つ力をこれ以上ないほどに発揮している姿である。
そして、その美しさの源は、母性にあるのだと思う。
妊娠中や出産直後は、女性がもっとも強く母性を発揮するときだ。その母性の発露としての美しさは、神々しいとさえいえる。
そういう美しさに接する機会が多いことは、私にとっても幸せなことだ。

しかし、中には産まれたばかりの赤ちゃんのことなど頭の隅にもなく、自分の体重が減ることばかりに関心がある人もいる。
操法を受けに来ても、産後の体調や母乳の出具合について、また夜泣きなどの赤ちゃんに関することに話を向けても、全く興味のないふうで、ただひたすら 「骨盤は閉まっていますか?」、「まだもう少しやせますか?」と、そんなことしか言わない。
そういう気持ちのあり方が、赤ちゃんが生まれて、まさに今、一日一日育ちつつあるときの母親の当たり前の心の状態だとは、とても思えない。
そんな母性のかけらもない、自分のことしか頭にない人が、たとえ痩せようが腰周りが細くなろうが、私には全く美しくなったとは思えない。

そういう人と私は、美しいということに対する感受性が全くすれ違っているので、お互いにどこまで行っても平行線だ。
というわけで、美容目的で産後の整体を受けたいという人には、期待に添いようがないのだ。

しかし、そもそも妊娠しても、出産しても母性が育たない人は、やはり体の自然を失っている人だ。
心も体も自然な人は、母性も自然に湧いてくる。
妊娠前から体を整えることを勧める理由は、ここにもある。
母性も母親としての自覚も、体の状態と無関係ではありえないのだ。
また、体が整っていれば、心身両面で子育ても楽になる。


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2009.04.29

妊婦の整体

もう、2年前になるだろうか?
『ワガママ妊婦のおとりよせ』 という本で、妊娠中・産後の整体の体験記事で紹介されてから、妊娠中の方からの問い合わせが急増した。
その本の中でも、但し書きを入れていただいたのだが、残念ながら妊娠されてからの初診はお断りしている。現在、妊娠中の整体は、当院で妊娠前から体を整えている方だけ対象におこなっている。

妊婦の整体は、妊娠・出産を、母体をより健康へと導く機会として活用するものであり、同時に産まれ来る赤ちゃんが元気で丈夫な子に育つための基礎を作ることが目的である。
もちろん妊娠中のいろいろなトラブルにも対処する。

妊娠中に起こる症状として多いのは、つわり・むくみ・腰痛などだが、これらは愉気を主体としたシンプルな操法でほとんどの場合、簡単に消失してしまう。

つわりの8~9割は、妊娠して弛むべき骨盤が硬直している場合に起こる。ほとんどは骨盤の左右どちらかがより硬直し、そちら側の腸骨が開きにくくなっている。これを愉気して弛めれば、だいたいの場合1回~2回の操法でつわりはなくなってしまう。

むくみは、側腹と呼ぶわき腹の操法で改善する。この操法は、つわりにも腰痛にも効果がある。押さえ方にコツがあるが、わき腹を外に引っ張り出すようにつまんで愉気するだけでもいい。(肉のつき具合を確かめるときのような感じで…) 両方つまんでみて、より硬い側だけつまむ。

腰痛には、いろいろなアプローチがあるが、妊娠中は強い刺激は使えないので、妊婦さん用の押さえ方や刺激の方法を用いる。

妊婦さんは、そもそも体が敏感で気に対する感応も良いので、愉気や簡単な刺激ですぐに体が整ってしまう。

こう書くと、妊娠中の整体は簡単そうに見えるが、簡単に効果をあげているのにはわけがある。
それは、私のみる妊婦さんは、「妊娠する前にすでに体が整っている」ということだ。

もともと体が「整体」である妊婦さんであるから、ちょっとした働きかけで良くなってしまう。そうでない場合には、そんなに簡単にはいかないことも多い。

面倒を避ける気持ちはないが、妊娠されてからはじめて来院された方の場合、その方の体の傾向や特質も把握していないし、お互いの間に信頼関係も築けていない。
そんな状況では、妊娠中の急なトラブルにも余裕を持って対処できないことも考えられる。
体というのは掛け替えのない大切なものであるが、妊娠中となればなおのことである。上記のような理由から、妊娠されてからの初診はお断りしている。
( ほかにも、いくつかの理由はあるのだが… )

これから妊娠を考えていらっしゃる方には、ぜひ妊娠前から体を整えておくことをおすすめしたい。もちろん、当院でなくても、整体法(野口整体)をしっかりと学ばれた方のところであれば問題ないと思う。施術者との相性もあるので、何ヶ所かまわってみてもいいと思う。


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